営業も巻き込んだ連動施策で、受注まで橋渡し
──具体的に実施した、取り組み内容について教えてください。
飯尾:CMキャラクターにはなかやまきんに君を起用し、フェルメールの名画を再現した形で動画を制作しました。タクシー広告の配信は、2022年11月から3ヵ月間行いました。

飯尾:また指名検索にとどまらず、他のマーケティング施策やセールスの活動にも相乗効果を作り出していくために、各種クリエイティブや関連するアウトプットを準備しました。具体的には、ブランドサイトのトップページはもちろんのこと、展示会での活用やセールスの商談時のZoom背景、名刺に至るまで、「あのCMの会社だ」と認知いただけるよう細部まで整えました。
加えて期間中は、マーケティング部門とセールスで連携を強化しました。たとえばセールスでは、CMクリエイティブをフックに商談を進めるなど、トークスクリプトも準備しました。またアイスブレイクでCMの裏話をしながら、我々が最も伝えたいことやecforceの強みが伝わるよう、あらゆるシーンが連動していくようにしました。
──セールスにもしっかり橋を渡していく体制を作ったのですね。
飯尾:マーケティング部門だけで考えてしまうと、効果がフワッとしがちになることも少なくありません。やはり企業としての最終目的は売上の最大化なので、いかに売上にコミットできるかを考えました。タクシー広告がセールスの商談時の起爆剤となり、成果につながるように緻密に組み立てていった形です。
「成果を出せる広告なのか」を徹底的に考え、磨く
──タクシー広告はどのように企画し、制作を進めていったのでしょうか。
飯尾:クリエイティブパートナーと一緒に企画を始めました。最初に先方へオーダーしたことが2点ありました。
1つ目が「セールスに活用できる強い武器を作りたい」こと。2つ目が「問題解決型のフォーマットで構成されたタクシー広告ではなく、サービスの一番特徴的な部分とサービス名がひもづく広告にしたい」ことお伝えしました。やはり、見ていただいた方々の印象に残すことが一番大事だと考えているので、ワンメッセージでしっかり伝えきることに注力した形です。

──印象的なクリエイティブとなりましたよね。
飯尾:僕たちとしてもかなりチャレンジングではありました。しかし、今回の立て付けなら、ブランドイメージを考慮しながら最大限インパクトを残すことができそうだと思っていました。
フェルメールの名画と、なかやまきんに君の組み合わせには、静と動や、上品さとキャッチーさといった多様なギャップが詰め込まれています。また、我々が伝えたいことが言語と非言語で伝えられる点もこだわったところです。
──同広告を制作していく際に気を付けたポイントはどういったことがありますか。
飯尾:タクシー広告に関しては「成果を出せる広告なのか」は常に念頭に置きながら見ていました。
加えて社内では、本質的な成果を出していくために、マーケティングとセールスで実行できる連動施策がないか、常に気にしながら構築していきました。セールスからの視点も考慮すべく、CM制作の会議体ではセールスのトップメンバーも同席して常に一緒に考えながら準備しました。