特徴を整理し、見えたリクルート「Airワーク 採用管理」のプロモーションの役割
続いてリクルートの市川氏より、「Airワーク 採用管理」の紹介が行われた。「Airレジ」「Airペイ」など、日々の業務効率化を支援する同社の業務・経営支援サービス群「Air ビジネスツールズ」のうちの1つが「Airワーク 採用管理」だ。同サービスは、2018年より提供していた「ジョブオプLite」を、2021年6月に名称変更し、「Air ビジネスツールズ」初のHR領域プロダクトとして提供開始した。
主にアルバイトや正社員といった求人募集、採用をサポートするサービスで、利用者は「採用ホームページの作成」や「求人ページの作成・掲載」「応募者管理とメッセージのやり取り」「作成した求人を『Indeed』へ自動掲載する」などの機能を無料で使える。
展開しているプロモーション施策は、テレビCMとYouTubeといったWebプロモーションの2つ。プロダクトのマーケティングを担当する市川氏は、それぞれの役割について語った。
市川氏によると、役割を決める上でポイントとなった点があったという。1つ目のポイントは、「求人領域の構造上の特徴」だ。というのも、ユーザーの欲求喚起が非常に難しい。
そこで市川氏は「潜在層」「ニーズ発生」「顕在層」それぞれの層で、何をする必要があるかを整理した。潜在層に関しては、ニーズ発生時の準備として、なるべくブランド認知を高めておくこと。ニーズ発生時には、早急にユーザーと接点を持つことが大事になるので、接点を増やすためにできるだけリーチの網を広げておくといった具合だ。
この「ブランド認知の上昇」と「リーチ拡大で網を広げておく」ことが、求人領域の構造を整理したことで、見えてきたプロモーションの役割である。
3つの役割を最適なメディアに振り分ける
2点目のポイント「プロダクトの特徴」について整理する中で、追加で出てきた役割があったという。それは「サービス理解の促進」だ。
BtoB系のプロダクトの場合、サービス内容が難しくて、サービス名は知っていても中身がどんなものかわからない状況が起きがち。「Airワーク 採用管理」も同様で、だからこそサービス内容をしっかりと説明して理解を促す役割が必要だと市川氏は考えた。
そうして出てきた3つの役割をプロモーションに担わせた時の分担は次のようになる。「ブランド認知」「リーチ」がテレビCM、「リーチ」「サービス理解」がWebプロモーションと役割を振り分けた。
上記のように役割を定めることが、その後の各施策の要件を決めることにつながるのだ。
「CMにブランド認知の役割を担わせる場合、ブランド名を覚えていただけるようなクリエイティブ要件にする必要があります。また、いつ発生するか分からないニーズをとらえるためには、ニーズ発生時にすぐに接点を取れるようなメディアプランニング要件を組むことが重要です。
このように、改めて領域やプロダクトの構造を整理した上で、プロモーションの役割を決めてみるといいと思います」(市川氏)
