6月23日、Wall Street Journalのニュースサイトに、Googleが携帯業界を変えるのに苦しんでいるとの記事が掲載された。
Googleは2007年11月に、30以上の携帯キャリア、端末メーカー、ソフトウェア・メーカーとともに業界団体「Open Handset Alliance」を設立、携帯向けの総合プラットフォーム「Android」の普及に力を入れている。Wall Street Journalの記事では、このAndoroidを搭載した携帯の出荷は2008年後半といわれていたが、それが遅れていると指摘。Google自身も第4四半期まで搭載端末は出荷できないと予測しており、T-Mobile USAやChina Mobileもスケジュールに遅れが出ているという。
GooglがAndroidプロジェクトを推進する背景には、パソコンから携帯へと日常的に使われるデバイスが変化するなか、Googleもパソコン主体の検索サービスにとどまるわけにいかなくなっているという現状がある。GoogleもYahoo!も各社の携帯に検索サービスを提供しているが、携帯会社ごとの縛りもあり、なかなかそのポテンシャルを発揮できないのが現状だ。一時は独自端末「Google Phone」を開発するのではないかという噂も流れたものの、携帯業界をオープンにしようとする意気込みとともにAndroidプロジェクトの立ち上げに踏み切った。しかし、快進撃を続けるライバルiPhoneの存在は大きい。
Open Handset Allianceは、Android用のSDK(開発キット)を2007年11月に公開。Googleは賞金1000万ドルを提供するプログラミングコンテスト「Android Developer Challenge」を開催し、1700件のエントリから、選考によって絞り込まれた50のアプリケーションを公開し、開発者の関心を高めようとしている。一方のAppleもiPhone SDKを2008年3月に公開し、6月時点のSDKのダウンロード数は25万回以上に及んでいるという。
オープンソース開発によって、製品版にひけをとらないOSとしてLinuxが大ブレイクして以降、市場での覇権争いは、利用者やユーザーだけでなく、いかに開発者を巻き込めるかにも焦点が当てられるようになってきた。いよいよ7月にiPhoneが日本上陸を果たす2008年、Googleの挑戦も正念場を迎えることになりそうだ。
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