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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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スキンケアの「タカミ」とスポーツバイクの「スペシャライズド」が実践する、ブランド体験の高め方

UGC施策で既存顧客とのコミュニケーションを活性化

磯山(wevnal):スペシャライズドでは最近、顧客とのコミュニケーションにおいてUGCを活用されていると伺いました。詳細を教えてください。

谷口(スペシャライズド):お客様のInstagram投稿をECサイトのコンテンツに利用させていただいています。私が毎週月曜日にスペシャライズド関連の投稿をチェックし、その中から良い写真をピックアップする流れです。投稿者の許可を得た上で、ECサイトの「#スペシャライズド」コーナーで紹介しています。

磯山(wevnal):UGCを活用したことで、どのような効果があったのでしょうか?

谷口(スペシャライズド):これまで約1,000枚の投稿を紹介してきた結果、お客様が「スペシャライズドに自身の投稿が紹介された!」と喜び、その旨を投稿する流れが生まれ始めたのです。UGC活用施策は元々ECの売上拡大が目的でしたが、お客様とのコミュニケーションの活性化にもつながった点は嬉しい誤算ですね

スペシャライズドのECサイトで自身の写真が紹介された旨を告知するユーザーの投稿(一例)

磯山(wevnal):では最後に、お二人に質問です。これまでのマーケティング業務における反省点と、それを踏まえて聴講者へのアドバイスをお願いします。

谷口(スペシャライズド):施策の「数」にこだわりすぎないことをお勧めします。今や様々なデジタルツールが存在し、マーケターとしては試してみたくなるはずです。かくいう私もかつてはLINEやTikTok、メルマガなど複数の集客施策を検討していました。しかし、その結果痛感したのが「欲張ると手間ばかりが増えて、一つひとつの施策のスピード感が下がってしまう」ということです。

谷口(スペシャライズド):「広告クリエイティブやテキストは原本を作っておいて、使い回せばそれほど手間はかからない」と思いがちですが、各プラットフォームで最適な画像サイズ・文量があるわけです。それぞれのプラットフォームに最適化しようとすると、その分編集作業が発生します。また施策の数に固執するあまり、効果測定にリソースを割けていない時期もありました。

磯山(wevnal):なるほど。施策の“実行”にばかり目が奪われて、効果測定や肝心のCX改善が疎かになってしまうこともあり得るわけですね。

思いと工数のバランスを取ることが重要

磯山(wevnal):佐藤さんはいかがですか?

佐藤(タカミ):CXを改善させるために手間をかけた割には、あまり成果につながらなかった──こうしたケースは私も経験があります。たとえば「●●な属性のお客様には××のメールを配信しよう」と、MAツールを活用して配信先を非常に細かくセグメントしたことがありました。しかし、あまりにも細かくセグメントし過ぎた結果、一部のセグメントは1週間経ってもほとんど配信されなかったのです。

磯山(wevnal):「CXを改善させたい」という思いも非常に大切ですが、工数とのバランスを見ていかないと成果につながらないということですね。

磯山(wevnal):お二人の話を聞いていると、重要なのは各施策の「目標」をきちんと見つめ直すことだと感じました。そして、その目標は「施策の数」や「精緻なセグメント」ではなく、「お客様の体験改善」でなくてはならないでしょう。今日お二人に紹介いただいた体験改善のTipsは、スペシャライズドのようにUGCを通じて顧客とコミュニケーションを取ったり、タカミのようにお客様の声に丁寧に耳を傾けたりすることで見つかるものだと感じました。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/05/26 08:30 https://markezine.jp/article/detail/42206

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