Z世代の多くがクレジットカードを選ぶ基準に「他者から勧められたから」と回答
次にクレジットカードに求めるニーズについての調査結果を伝えた。現在クレジットカードはどのような基準で選ばれているのだろうか。
まずバブル世代について見ると、1位は「年会費が安い/かからないから」が51.2%、2位が「ポイントの還元率が高いから」、3位が「よく使うお店で使えるから」となった。
Z世代もこれらの数値は高かったが、その他にも「専門家やインフルエンサーが勧めていたから」や「カードの名前を聞いたことがあったから」といった回答がバブル世代と比較して約3倍またはそれ以上の人が理由として挙げていた。

「バブル世代はお得かどうかがクレジットカードの判断基準になっている人がほとんどです。しかし、Z世代はそのカードの知名度、自分がそのカードを知っているか、または他の人による口コミを重視している人が数多くいることがわかります」(牛窪氏)
さらに、クレジットカードに対して感じる懸念点について上位の回答を見えると、バブル世代は、「失くした時の対処に手間がかかる」が29.1%、「セキュリティに不安がある」が26.0%となった。
一方で、Z世代は「つい使いすぎてしまう」が32.3%、「決済後に利用明細の反映に時間がかかる」が27.3%と、利用と管理に対する懸念が大きい傾向があるという。

クレジットカードに求めるのは管理のしやすさ
では、Z世代は現在クレジットカードにどのような機能を求めているのだろうか。
牛窪氏はZ世代とバブル世代のクレジットカードに求めるニーズの差について次のように語った。
「リアルタイムに近い形でお金を管理でき、支払い方法を自分で選べるような、柔軟性の高さを求めている人が7割を超えています。それに対して、バブル世代は同じ機能を望む人は約5割と大きな違いが出ています」

その他にも、クレジットカードの利用限度額を自分で設定できることや、よく使うアプリで使える・管理できることを求める割合も7割以上いるという。

牛窪氏はこれらの差が生まれる背景に、Z世代特有の「危機感」を指摘する。
「Z世代は、新型コロナの前にも東日本大震災、同時多発テロ、リーマンショックと、物心がついた時から不測の事態に襲われてきた世代になります。
だからこそ、日常の中でも何か良くないことが起こるのではないかという意識が他の世代と比較しても強く危機感としてあると考えています。そのような不測の事態に備えたいという意識が『クレジットカードに対しても自分で管理したい』という強い意欲にもつながっています」(牛窪氏)