インフルエンサーやキャンペーン施策を定量的に評価可能なプラットフォーム「AnyTag」
MZ:電通デジタルではこうしたインフルエンサーマーケティングの課題を解決するため、2021年から「AnyTag」を導入したと伺いました。AnyTagの概要についてお聞かせください。
相田:AnyTagはインフルエンサーマーケティングプラットフォームです。フォロワー数だけではなく、オーディエンスの熱量・男女年齢比・感情分析など多様なデータを基にしたインフルエンサーの提案・キャスティング、キャンペーン実施時のインサイト分析、投稿のリアルタイムレポートなどのサービスを提供しています。また、クライアント企業のSNSアカウントと連携することで、企業向けSNS運用管理ツールとしてもご利用いただけます。
AnyTagでは2023年3月末時点で、世界45以上の国と地域から57万人以上のインフルエンサーへのアクセスが可能です。多くのインフルエンサーのアカウントを細かく分析した上で、クライアント企業のニーズに合ったインフルエンサーを、定性面だけでなく、データで裏付けされた定量面から提案できます。
AnyTagの特長としては、一つのプラットフォームに施策ベースのデータが蓄積されるため、次回のアクションにつなげられる点が挙げられます。これにより、インフルエンサーマーケティングを施策全体の中の一つのチャネルとして動かしやすくなるため、電通デジタル様が多くの案件で求められることと親和性が高いと考え、提案をしました。
渡邉:AnyMind様はインフルエンサー施策において様々な評価の観点を持たれているのも特徴的だと感じています。
一つの施策に対して、実施目的に応じた評価指標などを具体的に提示いただけます。おかげで我々もクライアント企業への施策提案において、短期的な成果を狙う単発のキャンペーンではなく、中長期で特定の指標を追っていくような提案がしやすくなりました。
魚:クライアント企業への提案ではAnyTagから得られる様々なデータで裏付けができるため、説得力が増したと感じています。また、気になる施策の動向をAnyTagから任意のタイミングで確認し、素早くクライアント企業に伝えられるなど、私たちが対応できる範囲が広がりました。
相田:施策を行う上では、データを取得するだけでは不十分であり、それを活かすことが重要だと考えています。ユーザーの皆様がSNSの動向や施策ごとの見るべき指標の数値を確認し、そこから次の施策を提案する手助けができると考えています。
競合の動向や自社実績のナレッジ共有が高度化・効率化
MZ:電通デジタルではAnyTagをどのように活用していますか?
渡邉:大きな提案に関しては基本的にAnyMind様がプランニングをしてくださるので、私は主に情報収集に活用しています。たとえば「特定のインフルエンサーについて詳しく知りたい」と思ったとき、ファンの年代比率や過去の投稿のパフォーマンスなどのデータを手元ですぐに確認します。また、他社が起用しているインフルエンサーと起用タイミングについても、#PRなどの公開情報を元に、高い精度で簡単にまとめられるため、「競合はこれくらいやっているので、もう少し施策を増やすほうが良いのでは」といった提案を数値に基づいて行えています。
魚:私の場合、複数ブランドの比較に活用しています。複数ブランドを展開しているクライアント企業の場合、ブランドによって代理店側の担当者が異なる場合があります。他ブランドで行った施策について細かい数値まで把握することはなかなか難しいことです。このように同じクライアント企業内で自分の担当ではないブランドがある際は、他ブランドの過去施策やその結果をチェックし、その上で自分の提案をブラッシュアップするようにしています。
渡邉:ナレッジマネジメントの面では担当者の引き継ぎにもAnyTagが役立っています。デジタル業界は人材の流動性が高い傾向にあり、担当変更が多く起こりがちです。過去の担当者が行った施策を新しい担当者が理解できていない事例も少なくありません。
私のチームではAnyTagを通じてクライアント企業ごとにデータを共有しているため、同じクライアント企業の担当者は、別担当者が実施した過去施策を蓄積されたデータから確認が可能です。このように過去のデータの参照により、長期的な視野でクライアント企業に合わせた施策を提案ができています。