データの取捨選択の判断軸は「アクショナブルか否か」
――「1. データ集計・レポーティングの業務を自動化すべし」についてお聞きする前に、どの種類のデータを収集することが結果的に良質なレポーティングにつながるのでしょうか?
橋本:「どの種類のデータを集めるべきか」については、業種によりベストプラクティスが異なります。弊社では各業種に対応したテンプレートを保有しています。分析対象とすべきデータはある程度決まっているのです。我々は、そうしたテンプレートを参考にしながら、顧客にどの種類のデータを収集するべきかを提案しています。

橋本:よくある失敗パターンは、マーケターが収集対象とするデータを自分たちだけで決めてしまうことです。当然ながら、データには顧客の属性データやWeb上の行動データなど様々あります。そして、BtoB/BtoCなどのビジネスモデルによっても必要なデータは異なります。
さらに、分析したデータを最終的にマーケティング施策に活用することを考えると、分析対象にするデータの選定は慎重に行うべきです。ここを疎かにしてはいけません。分析対象を決める際の判断軸は、そのデータが具体的な行動につながりやすいかどうか、つまり「アクショナブルか否か」です。この点を考慮に入れて収集すべきデータを取捨選択してください。
他部署への成果共有もレポートの目的の一つ
――データ集計・レポーティング業務を自動化する上でのポイントを教えてください。
橋本:まずは、定期的に作成している現行のレポートの見せ方を見直してください。レポート作成の目的は、マーケティングチームが活動の成果を評価するだけでなく、他部署にも共有することで社内でのチームの存在感を高めることにもあります。現行のレポートではそうした成果が見られないようであれば、思い切って内容を刷新することをお勧めします。

橋本:レポートの見せ方を見直した上で、自動化の作業に取り組みましょう。弊社の分析ソリューション「Adobe Analytics」など、レポーティング業務の自動化ツールを活用してダッシュボードを作成します。これで自動化の大部分は完了しますが、前述の通りチーム内だけでなく「他部署のどの人に」「どの程度の頻度で」レポートを共有するのかもこの時点で意思決定しておきましょう。
飯島:良い成果が得られたレポートの形式はテンプレートにしておくこともお勧めします。これにより、今後様々なキャンペーンを展開した時でも、キャンペーンの内容に合わせてデータの項目を少し変えるだけで、質の高いレポートを作成できます。

飯島:また、形式が固まったレポートは定期配信で良いと思いますが、送っただけにならないように、そのレポートからどのようなアクションができているか振り返りましょう。「集めるデータの種類を変えるべきか」「レポートの形式を変更するべきか」などについて、外部のコンサルタントからアドバイスしてもらう機会もあれば、より効率的かもしれません。