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ネットマーケティング実践ノウハウ

バイラルプロモーションを成功させる3つのポイント
映画「ジャンパー」の事例を検証


バイラルプロモーションを成功させる3つの要素

成功の法則其の1:面白いクリエイティブを作れ!

 まず肝となるのはクリエイティブの面白さである。

 本プロモーションでは、高い技術力を持ったクリエイティブ会社にブログパーツ製作を依頼し、その結果ユーザの興味を強く喚起するブログパーツを用意することができた。ブログパーツの制作費は内容や依頼先によりさまざまであり、大掛かりなものになると100万円以上の制作費がかかるケースもあるが、ここの予算をケチらないことが成功の第一歩といえる。

 また本ブログパーツの最大の特徴である「同じブログパーツを貼っているほかのブログに瞬間移動する」というギミックはバイラルプロモーション支援のためのASPサービスを利用して開発されている。このように高度な機能をプロモーションごとに一から作るのはスケジュールや予算の関係から難しいことが多いので、必要であればASPサービスを採用することも検討したい。

クリエイティブにひねりを加えることで、話題性のあるブログパーツになる 
(C)2008 TWENTIETH CENTURY FOX

成功の法則其の2:しっかりとしたシーディングを行なう

 次に効果的なシーディングを行うことも成功の大きな後押しとなる。シーディングは「種まき」を意味する言葉で、告知ページ等を通じてバイラルを広げるための露出を行うことである。

 本プロモーションでは主要ブログプラットフォームを始め、複数のメディアでシーディングを行ったのだが、その結果シーディングを行ったブログプラットフォームでは、行わなかったプラットフォームに比べて、際立って多くのブログでブログパーツの貼り付けが行われた。

 面白いブログパーツであれば、シーディングを行わなくてもじわじわとバイラルが広がっていくので、大掛かりなシーディングは必ずしも必要ではない。媒体費をかけることなく大きな宣伝効果が見込めるのがバイラルプロモーションの強みでもある。しかしながら、例えば映画のプロモーションで公開日までに確実にバイラルを広げていきたい場合等、スタートダッシュを決めるうえでシーディングは非常に効果的である。

成功の法則其の3:プロモーション後もチューニングを行なう

 そして、最後に重要なことはプロモーション開始後もチューニングを継続して行うことである。チューニングとは効果測定で得られたデータを元に、クリエイティブやシーディングの軌道修正を行うことである。

例えば仕込んでいたギミックの発動率が低い場合は、ギミックを発動させるボタンを目立つように修正して発動率を高めたり、狙っていたブロガー層に思うようにアプローチできていないことが判明した場合に追加のシーディングを実施して効果を補完する等がよくある例である。本プロモーションでも、途中で追加のシーディングを実施することで高い効果を上げることができた。

 チューニングを行うためには、リアルタイムで効果測定を行うことができる測定ツールを導入することが必須である。測定できる項目はツールにより様々であるが、効果的なチューニングを行うためには、パーツの表示回数だけでなく、リーチできた正確なユーザ数や、パーツ内のどのボタンがよく押されたのか、どのシーディングが最も効果があったのか、どのような経路でバイラルが広がっていったのか等、様々な項目をリアルタイムに分析できることが不可欠である。

 またチューニング方針の立案を外部の専門家に委託するという手もある。専門家ならではの視点でより効果的なチューニングが実現できるので、特に社内にノウハウが少ない場合は活用を検討されたい。

 以上駆け足の説明となったが、バイラルプロモーションの成功には「クリエイティブ」「シーディング」「チューニング」の3つが重要な要素となることを理解いただけたと思う。次回はその中でも「チューニング」に的を絞った実践的なTIPSを紹介したい。

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この記事の著者

鈴木・J・修一(スズキ・J・シュウイチ)

株式会社クロスワープ インターネットマーケティング事業部エンジニア。

1981年東京生まれ。 2006年より現職。バイラルプロモーションASP「CROSSMARC」の開発に従事し、大手企業を中心に数多くのバイラルプロモーションで導...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/07/01 17:04 https://markezine.jp/article/detail/4253

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