Leadスコアが高いブランドではロイヤルティ軸の評価が高い傾向
他にもオピニオンリーダーからの評価が特に高いブランドとして、三菱UFJカード、ビュー・スイカカード、セブンカード・プラスの三つが挙げられる。
順位変動の要因を探るために三つのブランドのBaseスコアとLeadスコアを比較してみると、レゾナンスに関する項目の評価が高いとわかる。これらのブランドは、いわゆるメガブランドに比べると購入経験も低く、知名度としてはそこまで高くはない。しかし、ブランドそれぞれが特徴を有している。オピニオンリーダーはその商品の物性を理解した上でブランドを選択しているため、自分にとって「生活に欠かせない」「他のブランドに変えたくない」といったロイヤルティが高いスコアの要因と考えられる。

図6.三菱UFJカード、ビュー・スイカカード、セブンカード・プラスのスコア(左:Base、右:Lead)
出所:NBI2023(Web調査、2023/2)
32個の選択肢から見るオピニオンリーダーが重視する価値観
クレジットカード業界においては、「購入経験」と「特典などの機能的な評価」がBaseスコアを決めるのに重要な要素である。一方、オピニオンリーダーは、「同じブランドを持っている人への共感」や「連帯感」が重要な要素になることがわかった。
では、なぜこのような違いが出たのだろう。そこでオピニオンリーダーの消費に対する価値観に着目した。
同調査内で、消費に対する価値観を32個の選択肢で聴取したところ、クレジットカードカテゴリーにおけるオピニオンリーダーの価値観として「使っている人の評判が気になる」「周りが良いと言っているものを選ぶことが多い」といった口コミなどを重視する側面と、「多少値段が高くても品質の良いものを買う」「安全性に配慮して商品を買う」といったクオリティーを求める側面が見られた。自分と同じようにそのブランドを選んだ人に対する仲間意識と、安全・安心を求める価値観が、レゾナンスとイメージ・フィーリング項目での高評価に結びついたのではないかと考えられる。
NRIでは、クレジットカード以外にも複数のカテゴリーでNBIの調査を行っており、それぞれの上位ブランドについては、Webサイト「INSIGHT SIGNAL(インサイトシグナル)」にて順次公表している。次回は、また別のカテゴリーをピックアップして、その特徴を解説していく。