デザイナーから店舗スタッフまで全員で考案したパーパス
MZ:リブランディングプロジェクトの全体像を教えてください。
高花(TSIホールディングス):今回のリブランディングプロジェクトには目的が二つあります。一つはお客様向けに、イメージのアップデートを図ることです。特にJILL STUARTは広く認知されている一方、ブランドイメージがかなり固着化していました。また、新たな顧客として若者に当ブランドへの関心を持ってもらうためにも、イメージ刷新は必須でした。

高花(TSIホールディングス):もちろん、今までのお客様を切り離すというわけでは決してなく、従来持っているJILL STUARTの世界観を、より現代的なものにアップデートすることを目指しました。
二つ目の目的は、社内文化のリブランディングです。両ブランドのスタッフ全員が心の拠り所にできるようなパーパスの制定からまずは着手しました。MDや営業、デザイナー、パタンナーといった社内スタッフから売場の従業員まで全員で考えたブランドパーパスが「今日よりも、華やかな明日のために。」です。
野田(アクセンチュア):パーパスの制定にあたり、我々があらゆる部署・現場のスタッフの皆様に「今後ブランドをどうしていきたいか」などをうかがいました。加えて、ベースとなる案を複数作り、その後は我々が入らずに事業部の皆様だけで徹底的に議論していただきました。
接客を通じて顧客にも新パーパスを実感してもらう
MZ:経営層がトップダウンで決めたのではなく、あくまでボトムアップの形でパーパスを決めていかれたのですね。ちなみに、以前はパーパスに類するものは存在していなかったのでしょうか。
高花(TSIホールディングス):「ブランドコンセプト」は存在していましたが、今回新たに制定したパーパスには、ブランドの想いや哲学が込められています。そこがコンセプトとの大きな違いです。
仕事の進め方がまるで異なる両ブランドのスタッフに、共通の軸を持ってもらうためには、「どのような人間になりたいのか」「ブランドとして理想の行動とは何か」まで立ち返って考えてもらいたかったのです。
また、このパーパスを基にお客様と接してもらうことで、お客様から「このブランドは女性をエンパワーしてくれる存在なんだ」と思ってもらうことを目指しています。

MZ:リブランディングプロジェクトの対外的な取り組みも教えてください。
高花(TSIホールディングス):対外的な取り組みは現在までに二つ行いました。第一弾として、2023年1月に花のサブスクサービス「ブルーミー(bloomee)」とコラボし、ミモザの花とそのモチーフをあしらったスカーフのセットを期間限定で販売しました。なぜミモザかというと、3月8日が国際女性デーであり、象徴花がミモザだからです。
