AIで変わる顧客対応、直近のトレンドは?
パートナーセッションでは、まずKDDIエボルバ 企画統括本部 副統括本部長 白川始氏が登壇。コールセンター代理業務を行う同社で、現場の最前線を見てきた視点から、AIを活用したツールでどのような変化が出てきたのかを紹介した。
コンタクトセンターのニーズとしては「コストの抑制」「顧客応対チャネル拡充による顧客体験の向上」「販売手法高度化による売り上げの拡大」がある。中でも電話からWebへの顧客誘導など、テクノロジーを活用することが昨今のトレンドだ。
白川氏はコロナ禍で盛況となったEC分野のトレンドについても掘り下げた。「ボイスボット(AI音声自動応答)」による顧客応対の自動化は、電話のサポートが必要な顧客への対応を、最小コストでカバーするために導入が進んでいる。
「ビデオ商談」は、画面を通じて製品やサービスを実演できることで、アップセルにつながりやすくなる。「リモートサポート」も、修理の事前問診など電話だけでは理解しにくい部分が多々あり、顧客のストレスにつながっていた。しかしビデオ通話を利用したテクニカルサポートをすることで意思疎通がしやすくなり、工数削減につながっている。
約7割がスムーズな顧客体験を提供するブランドを重視
同イベントでは、Zendesk社長の冨永 健氏も登壇した。同社は2007年にコペンハーゲンで創業した、カスタマーサービスソリューションを展開するSaaSのベンダーだ。
同社の調査によると、消費者の約7割が「スムーズな顧客体験を提供するブランドを優先で利用したい」と回答。また、52%が「たった1度でも不愉快な思いをしたら他社に乗り換える」と答えた。
「お客様が求めるのは『好きなツールを使って、好きなタイミングでコミュニケーションできる』体験です。お客様が利用するあらゆるチャネルを用意し、スムーズにコミュニケーションできること。またAIがオペレーターの仕事を奪うのではなく、提案する立ち位置でAI導入することで生産性を上げ、より丁寧なカスタマーサービスが達成できると考えます」(冨永氏)