SDGsに対して今、生活者は何を感じているのか?
「SDGs」と言う言葉の認知度は年々増加している。博報堂「生活者のサステナブル購買行動調査2022」によると、「SDGs」の名前を知っていると答えた知名率は80%(内容も知っていると回答した人は50%)を超えた。また同調査によると、64%の人が「いますぐに社会問題や環境問題に取り組まなければ手遅れになる」と回答。85%の人がエコバックを持参するなど、SDGsを自分ゴト化し実生活を見直す生活者が増えている。
この実績を見ると、状況は良い方向に向かっていると言えそうだが、実際、生活者はSDGsに対してどう感じているのだろうか?
そこで、TBWA HAKUHODOの組織である65dB TOKYOでは、ソーシャルボイスを分析し、SDGsに潜む、隠れた本音を探っていく。たとえば、「レジ袋有料化」では以下のような声があった。
有料対象外のバイオマスプラスチック製のレジ袋に切り替えて無料配布を続けている企業がステキ
プラスチックの海を見てきた。日本もレジ袋有料化して良かったのではないか?
上記のように、レジ袋有料化の取り組みを称賛する人・環境意識を向上させる人も多くいる。一方でネガティブな声も多く散見した。
マイバック・エコバックの不衛生さが話題になっているけれどわかる。
レジ袋有料化よりも、テイクアウトブームを変えた方がいいのでは?
エコバック使っていたけれど、ドレッシングがあふれて机に染みができてからビニール袋に回帰した
今後SDGs行動をさらに加速させていくには、こうした批判的な声も含めどのように向き合っていくべきだろうか。そのヒントを探るために、SNS上の話題をさらに詳しく見ていくことにする。
SDGsアクションを加速させるヒントは、ソーシャルボイスにある
実際SDGs関連の話題量をポジティブ/ネガティブで区別したところ、青のネガティブの割合が年々増加していることがわかる。ネガティブな言及と共につぶやかれるのは「うさんくさい・無駄・嫌い」という言葉だ。
レジ袋有料化など、「SDGs」が暮らしと密接なトピックになってきたからこそ、【生活上の不便さ】や【SDGsの強制感】に不満が蓄積、SDGsアクションへの批判につながっていそうだ。「SDGsは不便を我慢すべきだ/節制しなければいけない」というトレードオフを前提とした“Have to思考”が強い点が大きく影響していると考えられる。
SDGsアクションを加速させるためには“Have to思考”から、「参加したいと思える/楽しい・快適と感じられる」 “Want to思考”にアップデートすること。これが、生活者を巻き込む上で重要なのではないだろうか。
そこで我々は、「SDGsアクションを加速させるヒントは、ソーシャルボイスにある」をテーマに、複数回にわたる連載記事を通してSDGsアクション加速のヒントを発掘していく。