LINE×Criteoで高度なレコメンドを実現
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは、「レコメンデーション メッセージ for LINE公式アカウント Powered by CRITEO(以下、本ソリューション)」の概要を教えてください。
蓑輪:本ソリューションはCriteoの高度なAI技術と、Criteoが所有する膨大な購買データを活用してLINE公式アカウントのユーザーの興味関心を分析、ユーザーごとにパーソナライズされた最適なレコメンデーションメッセージを配信して、ユーザーとのエンゲージメント強化をサポートするソリューションです。これは、Criteoとしてグローバルで初めてとなる試みであり、今回のために日本で初めて技術提供しました。
蓑輪:LINE公式アカウントに加えて本ソリューションを活用することで、企業やブランドはセールやキャンペーンの情報だけでなく、ユーザー一人ひとりの興味関心に合わせてパーソナライズされた商品情報を届けることができるようになります。
MZ:このソリューションはどのような経緯で開発されたのでしょうか?
宮本:LINE公式アカウントの「友だち」が、企業が保有する会員情報とLINEのユーザーID連携を行うことで、企業側とLINE側の両方のユーザーのデータを使ってパーソナライズした情報の配信が可能になります。しかし、すべてのユーザーがID連携をしてくれるわけではないため、非ID連携のユーザーに対してはパーソナライズした情報を配信できず、せっかくの「友だち」関係を上手くコンバージョンにつなげられないことが課題となっていました。
その中で、Criteoの方々と意見交換したところ「CriteoのデータとLINEのユーザーIDをマッチングすれば、非ID連携ユーザーにもパーソナライズ配信ができるんじゃないか」というアイデアが生まれたんです。実現すればCookieを使わずにユーザーリストベースでコミュニケーションができ、広告商品としても大きなニーズが見込めると判断し、開発をスタートすることになりました。
蓑輪:開発に当たっては、いくつかの企業にお声がけし、ソリューションの趣旨に共感してくれたLINEテクノロジーパートナー(コミュニケーション部門)(以下、テクノロジーパートナー)の電通デジタル、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(以下、DAC)、Micoworksの3社にご協力いただくことになりました。現在、本ソリューションβ版の販売もこの3社によって行われています。
電通デジタルが本ソリューションで目指す「マイルドCRM」とは?
MZ:テクノロジーパートナーの3社に、本ソリューションのどのような点に魅力を感じているか、貴社のビジネス戦略において本ソリューションをどのように位置付けているか聞いていきます。まず、電通デジタルの杉浦さんからお願いします。
杉浦:電通デジタルは「マーケティングの力でクライアント企業の事業成長をドライブすること」をミッションに掲げています。このミッション達成に欠かせない施策の一つがCRMですが、近年、マスに近いオーディエンスに配信するフロー型の広告投資と比較して、企業が一人ひとりの顧客と向き合い、より快適な体験を提供する「ストック型」のCRMが重視されるようになっています。しかし、ストック型のCRMはどうしても縮小均衡になる傾向があって、数は取れません。一方フロー型の場合、数は取れるけれども無駄打ちも多いというデメリットがあります。
そこで電通デジタルが提唱しているのは、フロー型の広告とストック型のCRMの中間くらいの関係性を目指す「マイルドCRM」です。簡単に言うと「顧客とゆるやかにつながって、顧客が喜ぶ情報を提供し、ちょっとずつ好きになってもらう」戦略なのですが、これに欠かせないツールがLINEです。というのも、「LINEのユーザーID連携まではしないけど、『友だち』としてゆるくつながっている層」こそが、マイルドCRMの主なターゲットだからです。
ただ、この層はリッチなデータが集まりにくく、なかなか上手くアプローチできない状況が続いていました。そんな中でCriteoから提案されたのが本ソリューションの共同開発です。ID連携の有無に関わらずオプトインをしたユーザーにパーソナライズした情報を配信できる本ソリューションは、画期的なソリューションになり得ると確信し、参画を決めました。
当社はLINEヤフーパートナープログラムのテクノロジーパートナーとして、顧客体験をリッチ化するメッセージング管理ソリューション「TONARIWA」を長年多くのお客様に提供してきたので、プライバシーに配慮したテクノロジーの実装や、お客様への価値提供についても、クリアなイメージが湧きました。
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