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Web3時代、本場のイマは、どうなっているのか?シリコンバレー訪問記

Web3の核心は、DAO志向。それは、スタートアップ中心のこの土地が持つ伝統だ


Web3の核心は、DAO志向

 GAFAと呼ばれる巨大企業も、元々は“スタートアップ”だったわけですが、そうした少数の企業が巨大化してしまったばかりに、多くの小さな企業が、動きにくさを感じている、それが現状だと思います。ちなみに、スタートアップ(Startup)という言葉自体、ここシリコンバレーの地で使われ始めたとも言います。

 個人ユーザーとしての自分を考えると、GAFAは多くの便益をもたらしてくれているし、決して“悪者”ではないと思うのですが、しかしながら、巨大企業があまりにも強いパワーをもっている現状では、まさしく昔の彼らのような世界を変えるようなスタートアップ企業が出て来にくくなっているのも、また事実でしょう。

 そしてまたここシリコンバレーの一方の中心的存在であるインベスターにとっても、そうした巨大企業中心の世界は好ましいものではないはずです。インベスターが必要としているのは、今後の世界を変え同時に巨額の富をももたらすかもしれない素晴らしいスタートアップなのですから。

 
交差点名までもが「Google」!

 そう考えて来ると、DAO(分散型自律組織)的な考え方は、シリコンバレーが元々持っていたものだと感じます。では、なぜこのタイミングで語られるようになったかと言うと、1つにはいわゆるGAFAが強くなり過ぎてDAOというような“新しい概念”を掲げる必要が出て来たこと、もう1つには、巨大プラットフォームや既存の金融システムに頼らなくてもDAOを構築できるような、NFTや仮想通貨のシステムが、ブロックチェーンの発展で現実味を帯びて来た、ということがあると思います。

 ちなみに、仮想通貨に当たる英語はクリプト・カレンシー(Crypto Currency)で、シリコンバレーでは皆、縮めて“クリプト”と言っていたのも、僕には新鮮でした。日本語の関連記事では、あまりクリプトという言葉は目にしないように思います。

 つまり、Web3の本質は、DAOであり、それを現実化する有効な手段がNFTなのだ、と理解できました。あるいは逆に、NFTの出現で、DAOが現実的に構想できるようになった、と言うこともできます。

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シリコンバレーで働くFirework瀧澤さん&なんドラ並木さんに取材

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この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2023/09/11 08:10 https://markezine.jp/article/detail/43363

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