SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」

Chatworkに学ぶ成長期のマーケティング、変革を続ける戦略と変容する組織のあり方

 2021年の中期経営計画の策定にともない「中小企業向けビジネスチャット」に舵を切り、2024年に「中小企業シェアNo.1ビジネスチャット」のポジション確立・シェア40%・全社売上高100億円を目指すChatwork社。拡大・変容・挑戦を続ける同社のマーケティング戦略はいかに変化してきたのだろうか。

※本記事は、2023年9月刊行の『MarkeZine』(雑誌)93号に掲載したものです

2024年までに売上高100億円を目指す

──現在のChatwork社は人間で言うならばまさに成長期かと思います。目指すポジションと、その目標から見たときの現在の状況を教えてください。

 「Chatwork」は2011年にリリースしました。メール以外のコミュニケーションツールとしてはLINEがやっと日本に登場した頃です。ビジネスチャットのニーズはまだ少なく、一部のエンジニアを中心に口コミで広がっていました。2015・2016年に資金調達を行ったタイミングで改めて戦略的にユーザー数の伸長を図り、2019年の東京証券取引所上場にともなって、もう一段階本格的にセールスやマーケティングの体制を拡大。2021〜2024年の中期経営計画を策定し、「Chatwork」を「中小企業向けビジネスチャット」として成長させる方針に舵を切りました。

Chatwork株式会社 コミュニケーションプラットフォーム本部 マーケティングユニットユニット長 達山裕一(たつやま・ゆういち)氏 大学卒業後、2006年にベリングポイント(現PwC)に入社し、リスクマネジメントのコンサルティング業務を担当。2009年にディー・エヌ・エーに転職し、広告営業、ゲームやアプリのデータ分析・マーケティング業務やメディア事業の立ち上げを経験。2019年にWebマーケティング支援会社のベーシックに執行役員として入社。2021年7月にChatworkにジョイン。
Chatwork株式会社 コミュニケーションプラットフォーム本部
マーケティングユニットユニット長 達山裕一(たつやま・ゆういち)氏

大学卒業後、2006年にベリングポイント(現PwC)に入社し、リスクマネジメントのコンサルティング業務を担当。2009年にディー・エヌ・エーに転職し、広告営業、ゲームやアプリのデータ分析・マーケティング業務やメディア事業の立ち上げを経験。2019年にWebマーケティング支援会社のベーシックに執行役員として入社。2021年7月にChatworkにジョイン。

 今年は中期経営計画の3年目に当たります。定量目標として2024年度末までに中小企業ユーザーのシェア40%と全社売上高100億円を掲げています。KPIがCAGR(年平均成長率)のためシェアが広がるほど難易度も高くなりますが、現在まで順調に進捗しています。

 そして2025年以降は「スーパーアプリ構想」を掲げ、中小企業および中小企業に関連する企業にとって付加価値の高いビジネスプラットフォームへ向かっていきたいと考えています。

──中期経営計画では、コミュニケーションプラットフォーム戦略(PLGの推進)とインキュベーション戦略(BPaaS[Business Process as a Service]を主軸にした事業展開)を掲げていらっしゃいます。それぞれどのようなものですか?

 過去のChatwork事業は有料ユーザーからのマネタイズが主軸でした。ですが、現在はインキュベーション戦略として周辺事業も展開しています。

 住み分けとしては、従来からある「Chatwork」というプラットフォームの価値を高めるための戦略がコミュニケーションプラットフォーム戦略です。PLG(Product Led Growth)モデルを活用して、無料版の利用から有料転換を図り、大規模かつアクティビティの高いユーザープラットフォームを構築します。そしてそのプラットフォームを基盤に、ユーザーが持つ経営の困りごとを解決できる仕組みを新たに提供していくのが、インキュベーション戦略です。

 BPaaSという新たな展開に至った背景には、我々のビジョンである「すべての人に、一歩先の働き方を」の実現には、従来のアプローチだけでは足りないという実感がありました。お客様の課題に応じてSaaSをご提案しても、社内にITが得意な人材がいないなどの障壁があり、DX推進がうまく進まないケースが多かったのです。ならば、業務プロセス自体を我々が引き受けてしまおうと考えました。ただの代行ではなく、我々がSaaSなどを活用してお客様の業務プロセスを最適化し、サービスとして提供するという発想です。ビジネスプロセスを丸ごとお預かりし、我々のほうでSaaS活用やAI・RPA(Robotic Process Automation)などのテクノロジーを活用するという仕組みでサービスを展開していきます。

──その中で、マーケティングユニットはどのような役割を担っているのでしょう?

 マーケティングユニットはChatwork事業のコミュニケーションプラットフォーム戦略(PLG)を実現する上でのすべてのマーケティングを行う部門です。新規のユーザーを獲得するマーケティングから、よりアクティブに使ってもらうためのカスタマーマーケティング、より最適なユーザー体験を届けるためのプロダクトマーケティングなど様々な業務を行っています。私はその全体を統括する立場です。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月1円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
プロダクトの体験から有料転換まで一気通貫で磨いていく

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2023/09/21 09:45 https://markezine.jp/article/detail/43550

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング