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【特集】事業フェーズ×組織規模で見る「BtoBマーケティング」

部品屋からグローバルのソリューションカンパニーへ。創業82年の工業製品メーカーNOKのパーパス経営

変革の一丁目一番地としてパーパス・バリューを策定

──2023年5月には、パーパス・バリューを発表されています。これはどういった経緯からですか?

 NOKグループには、創業以来約80年の間、大事にしてきた経営理念があります。会長も私も折に触れて経営理念に立ち返ってきましたし、今回パーパス・バリューの策定を支援していただいた外部の専門家からも「とても尖った経営理念と経営方針をお持ちですね」というコメントをいただきました。ただ、グローバルにいる約4万人の従業員とこれを共有できているかというと、そこまでには至っていないと感じていました。

NOKの経営理念

  1. 愛情と信頼に基づく人間尊重経営
  2. 派閥の無い強固な団結による風通しのよい経営
  3. 超常識の努力を惜しまない逆境に強い経営
  4. 常に夢を求める計画経営

 また、先述したように、市場が大きな変換点を迎えている今「自分たちは何者なのか」「市場がどう変化しようと、変えてはいけないNOKの価値は何か」という共通軸をみんなで持って、グローバルで一丸となる必要性も高まっています。そこで、NOKグループの経営理念のエッセンスを現代版にアップデートし、これから会社を支えていく若い世代や海外の従業員にもわかりやすい言葉にリフレーズする目的で、パーパスとバリューを策定しました。

 NOKが大切にしているのは、やはり技術です。安全に快適に暮らすために世の中で求められる様々なモノやコトに対して、我々は技術で、最終的には製品で応えてきました。その先には生活者の笑顔や幸せがあり、技術から作り出されるのは必ずしも有形のプロダクトだけではありません。ですので、インタンジブルズ(無形資産・価値)も含める意味で、カタカナの「カタチ」にしており、中でも「技術」という言葉は絶対に欠かせないと考えました。

Our Purpose(NOKの存在意義)

可能性を技術で「カタチ」に

Our Values(NOKが大切にする価値観)

RESPECT-多様性を認めあう
IGNITE-自分事で考える
EXPLORE-なぜを繰り返す
EXCEED-できないをできるに

そして、夢を追い続ける

──2023年7月には、グローバルから約500名の社員を集めて、「Global Summit 2023 NOK group(以下、サミット)」も開催されています。

 はい、パーパス・バリューを策定して「これに決まりました」と発表するだけでは効力が発揮されません。みなさんの腹落ちをもって、グローバルにパーパスとバリューを浸透させていくために直接集う機会を設けました。サミットには、海外の本部長以上、国内の部長以上の社員が14の国と地域から約500名参加し、事業や組織、国境、職位を越えて対話する場となりました。

東京で開催された「Global Summit 2023 NOK group」
東京で開催された「Global Summit 2023 NOK group」

──サミットでは、どのようなプログラムが行われたのですか?

 サミットは2日間にわたって開催しました。今年度からCxO体制を敷いているので、まずはCEOである私を筆頭にCFO、CTOからのプレゼンテーションを行いました。NOKグループが今どこに向かっているのか、パーパス・バリューに込めた思いなどを、私もみなさんに直接伝えることができました。その後は、事業セグメントごとに今後の戦略についてグローバルで一堂に会して議論する場を設けたり、外部から有識者をお招きしESGやDXなど近年の重要テーマについて知識をインプットする機会を設けたり。最後に、パーパス・バリューの理解を深める目的でワークショップも開催し、社内への浸透に向けて各自リーダーとして意識すべきことを話し合いました。

 最終的にはパーパスもバリューも社員の理解と共感をもって社内に浸透させていきたいと考えていますが、それは1日や2日でできることではありません。これから下期にかけて、このサミットの簡易版のようなタウンホールミーティングを国内外の各拠点に出向いて行っていく予定です。また、バリューの中にある言葉が資料や会議の中で多用されていたり、タイにある拠点では自発的にパーパス・バリューの浸透に向けた取り組みが始まっています。指示をされて動くのではなく、既に自発的な行動が生まれており、サミットの意義を感じています。

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インターナショナルカンパニーからグローバルカンパニーへ

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/43565

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