熱意を伝えた結果、エンゲージメント率は14%超え
平尾:加えて、オリエンテーションには力を入れました。業界的には1回に5人程度を集めて数回実施したり、そもそも行わなかったりというケースもあるそうですが、今回当社ではインフルエンサーの一人ひとりに対して2週間で計20回実施しました。ブランドの背景や機能性について当社が持っている想いをインフルエンサーに直接お伝えすることでブランドを詳しく理解いただき、効果の最大化も狙いました。
木村:インフルエンサーマーケティングにおいて、商品説明の資料を送付するのみと直接ブランド担当者から説明を聞くのとでは商品に対しての理解度が大きく変わります。インフルエンサーがブランドに対して前向きな感情を持ち、継続的な投稿やオーガニック投稿などにもつながると考えたため当社からオリエンテーションの実施を提案しました。
MZ:インフルエンサーを起用した施策の効果について教えてください。
平尾:2023年6月時点で、今回の施策によるInstagramへの投稿が、6つのハッシュタグで発見タブの上位に表示されました。当社では投稿に付与するハッシュタグを2種に分けて見ているのですが、「#Aquall」や「#アクオル」といった商品情報の蓄積を促すハッシュタグでは12投稿が上位表示に。「#ダメージケアシャンプー」「#うるおいシャンプー」など新たなユーザーの流入を促すハッシュタグでは14投稿を上位表示させることに成功しました。Instagramで起用したライフスタイル系インフルエンサーによる投稿では、エンゲージメント率は14%超でした。また、インフルエンサーの方々による投稿である中、商品に関連するコメントの比率はコメント全体の56%以上となりました。
新商品発売のタイミングは認知度も低く興味を持たれにくい中で、プロモーションターゲットであるZ世代を中心に認知の拡大ができたと感じています。
MZ:成功要因としてはどのような点が考えられるでしょうか?
木村:オリエンテーションで熱量が高まったのは大きな要因の一つとして考えられると思います
木村:今回、当社のグループ内の事務所であるGROVEおよびsejuに所属するインフルエンサー・タレントを起用しました。オリエンテーションを通して熱意を伝えたことで、インフルエンサーやタレントたちに愛用してもらえるようになり、その愛用感がユーザーにも伝わったと感じています。データを活用することは重要ですが、それに加えていかに熱量を伝えるかもインフルエンサーマーケティングを成功させる上で重要な点になると感じます。
インフルエンサーは「広告配信枠」ではなく、ユーザーの声を代弁する「代表者」
MZ:今後の展望についてお聞かせください。
平尾:商品の認知にとどまらず、見た瞬間に買いたいという購入意欲を高めるには、第三者からの発信が必須だと考えています。インフルエンサー施策の効果を最大化していくためには、インフルエンサーを広告配信の枠ではなく、ユーザーの声を代弁してくれる代表者として捉えることが大切です。ブランド価値や商品の機能価値をより正確に届けるためにも、関心を持ってもらえる言葉選びやコミュニケーション開発をインフルエンサーと一緒に取り組んでいきたいです。
そのために、AnyMind様が有する美容業界や他業種のデータを分析いただき、当社のブランドと相性が良いインフルエンサーや、次に流行りそうな方を一緒に見つけたいと考えています。
木村:トレンドも媒体のアルゴリズムも常に変化しています。その変化の速さからノウハウが蓄積できないという企業も少なくありません。だからこそ、最新情報や最適解を常に共有しながら、購買につなげるインフルエンサーマーケティングの勝ちパターンを一緒に見つけていきたいと思っています。
さらに、インフルエンサーとのコネクションを強化し、オリエンや体験会に前向きに参加してくださる方を増やしたいとも考えています。I-ne様との相性が良いインフルエンサーをご提案することで、売上最大化のサポートを行っていきたいです。