他社との差別化を図るクリエイティブ
調査を進め、他社の設備に不満を持っている点を明らかにする中でコアバリューは「レトルトパウチの品質クレームゼロへ」に落ち着いた。ターゲットに対して製品のコアバリューを明確に伝え、ウルトラソニカを試してみたいと思わせるには何をどうするべきか考え、そのための手法として、ヤマハというブランドだけが持つ「音のヤマハの超音波」という自社の強みを伝えることに注力した。
「BtoBtoBに向けたクリエイティブを初めて作成しました。ウルトラソニカだけが持つ価値について、担当者の方や開発者の方の声も発信していきました。BtoBtoBの動画としては再生数が高く、コメントやご意見でも『かっこいい』というお声をいただきました。音のヤマハの超音波、のバリューを見せられたと思います」(金氏)
1,000件以上のリード獲得、大幅目標達成
製品のコンセプトが定まると、リード獲得のために、カスタマージャーニーを意識した効率的なフローを設計した。具体的には製品情報・Webサイトリリースを皮切りにターゲットの購買行動に即したリスティングやディスプレイ広告を展開。翌月の国際食品工業展(FOOMA JAPAN)へ出展し、情報収集をしていた人々にリアルでの製品紹介や営業活動を実施した。
その結果、Web流入数は前年比184%、Web滞在時間258%、Webからの問い合わせ件数100件超。さらにリード数はヤマハファインテック史上最多の1,078件を獲得。初年度ローンチカスタマー4社を実現した。
「ニーズの可視化ができたことが経営層にアピールでき、開発人員が通常の1.8倍となりました。対象の食品市場だけでなく将来的に参入を図りたい医薬品・医療機器への足がかりにもなり、新製品開発のきっかけにもなりました。新しいシーズも多く発生しています」(長畑氏)