ターゲットの見直しで、商談単価を3分の1まで改善
根口:別の事例も伺えますか?
坂本:2つ目は、LBC(法人企業データベース)と名刺アプリ「Eight」のユーザーのデータを掛け合わせてターゲティングを見直したことで、商談単価が改善した会計SaaS企業の事例です。そこではThe Model型の営業プロセスを採用しており、マーケティング部門が獲得したリードのうち従業員数が一定以上の企業に対して、営業がアプローチする形を取っていました。
元々は従業員数10~1,000人の企業の役職者をターゲットにしていましたが、2023年10月のインボイス制度が施行される直前で個人事業主からのお問い合わせが激増。しかし個人事業主はこの企業にとってターゲット外だったために、有効リード率や商談化率が低下するという状況に陥りました。
根口:貴社ではどのように改善したのでしょうか。
坂本:ビジネスターゲティングで、ターゲットを従業員数100人以上の企業の役職者に変更しました。その結果、媒体CPAは1.4倍まで上がりましたが、その先の有効リード率は1.6倍、商談化率は2.4倍も向上。最終的な商談単価は3分の1に改善できました。
根口:一般的に、ディスプレイ広告は検索連動型広告と比べ、媒体CPAが高くなりがちです。そのためディスプレイ広告の配信強化に二の足を踏む企業も多いのですが、媒体CPAで評価するのではなく商談単価や受注単価が見合っていれば、推進していくほうが良いですよね。
そのためには、広告経由のコンバージョンがきちんとフィールドセールスに引き渡されたのか、その後どうなったのかまでトラッキングできる仕組みの構築や、広告コンバージョン経由の商談化率・受注率の可視化といったパイプライン管理の重要性を当社では長らく啓発し続けています。
LINEヤフーの目指す、BtoB広告の革新とは?
根口:最後に、BtoB広告領域における今後の展望をお聞かせください。
小渕:LINEヤフーでは、今後もBtoB広告領域でのサービス開発・ブラッシュアップを進めていき、クライアント様の成果につながる媒体を目指していきます。特に強化したいポイントは3点あります。
1点目は、1stパーティデータの活用拡大です。個人情報に関する意識が高まる中で、ユーザーに配慮しながらクライアント様がデータを安心して使える環境を提供することはもちろん、クライアント様側が持っているデータと当社が持つデータを掛け合わせ、最大限の成果改善に向けて支援していきます。
2点目は、ディスプレイ広告の予算の拡大。Yahoo!広告のビジネスターゲティングは、獲得目的だけではなく認知目的の部分でも活用が可能だと考えています。検索エンジンを持つ当社ならではのデータを掛け合わせれば、効果指標の分析や最終的な商談化率の改善にも有効です。最適化の観点では様々な活用の幅があり、こういった取り組みも含めて拡大していきたいです。
3点目は、データ環境の構築です。ヤフーとLINEは2023年10月1日に一つの会社に統合し、「LINEヤフー株式会社」として新たに業務を開始しました。これにともない、今後はYahoo!広告だけでなくLINE広告も提供していきます。よりデータを活用しやすい環境を構築し、データの有効性を活かしてクライアント様の事業に貢献できればと考えています。
根口:私たちもクライアント様の売り上げに寄り添い、本当の意味で事業に貢献するマーケティング活動を目指したいです。本日はありがとうございました。
BtoB企業のマーケティング部門・営業企画部門の方へ
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