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【特集】本格AI時代到来 広告・マーケティング業界の行方

独自のデータを持っていることが生成AI活用の差別化になる

検索して出ない&購買に近いデータを貯めよ

──生成AI×データの活用を進める上で、独自のデータが重要とのことですが、独自のデータの定義はありますか。

 検索しても出てこないものは独自のデータと言えます。たとえばPOSデータは、特定の商品がその日にどれだけ売れたかという情報で、小売企業しか知らないデータです。この他にもサイト来訪データや会員情報など、企業活動をしていく中であらゆる独自のデータが貯まっているのです。

 それらを活用すれば、メルマガ一つとっても購買データをもとに文面を生成AIに作らせるなど、パーソナライズしたコンテンツの制作工数を下げることもできるのです。

──独自のデータの中でも価値が高いもの・低いものがあると思うのですが、その価値の高低はどう見極めるべきでしょうか。

 マーケティングファネルで見たときに購買に近いところのデータは価値が高いと思います。ChatGPTで何かメッセージを生成するとしても、購買データなどを読ませたほうが購買につながりやすくなるはずです。

──独自のデータを集めるのが重要であることは理解できたのですが、「自社で今からデータを蓄積するのは難しい」「自社でデータを集めるのにコストをかけるより、プラットフォーマーなどが持つデータを有効活用したほうが、効率が良いのでは」と考える方もいます。簗島さんは事業会社がどこまでデータを蓄積するところに力をかけるべきだとお考えでしょうか。

 自社が持つデータは稀有な情報であり、アクセスログでも十分な独自性があります。そのため、取得・保有するのが難しいデータを集めなくても、現時点で取得しやすいデータから蓄積することが大切です。 たとえば、今自動車保険に入りそうな人のデータがあっても、自動車保険にはバリエーションがあるため、必ずしもその人が自社の自動車保険に入りたいとは限りません。それよりも、既存の顧客データを分析したほうが新規顧客の獲得につながる可能性があります。

 生成AIは、司法試験で合格水準の点数を叩き出すなど一般論を導くことが得意ですが、各企業が抱える個別の課題に答えることはできません。個別の課題に対応できるようにするためにも、自社で独自のデータを蓄積しておくことが重要です。

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生成AIの登場で求められる業務プロセスの再設計

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/10/23 13:30 https://markezine.jp/article/detail/43830

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