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ライブ配信が マーケチャネルの新スタンダードに~Twitchを徹底解説~(AD)

カギは「流動性」と「多様性」 受容的になることで拡大している現代のファン文化を理解する

 テクノロジーの進化は、「ファン文化」にも変化をもたらしました。これまでは自分の部屋だけで楽しんでいたところから、デジタル上の人々と気軽に繋がり、様々な表現方法で「自分の好き」を他の人と共に楽しむことができるようになったことで、ファンコミュニティが拡大し、中のカルチャーにも変化が起きています。「推し」という概念がここまで広く社会的に受け入れられるようになったことも、これに起因するでしょう。本稿では、現代のファンコミュニティ「ファンダム」について解説します。

インクルーシブで友好的な「ファンコミュニティ」へ

 何かの「ファンである」と言う時、皆さんはどこから「ファンである」と定義しますか? 逆に、「ファンでない」という線引きはどこにあるでしょうか?

 好きなものの対象がドラマシリーズならば、そのドラマの登場人物を空で言えないといけない……。ミュージシャンのファンであると公言するなら、楽曲の歌詞くらい覚えていないといけないし、ライブには何度か参加していて当然……。かつてのファンコミュニティでは、このように「自分がどれだけ熱心なファンであるか」を証明する必要がありました。

 ところが今、こうした制限はなくなり、新しい時代を迎えつつあります。

 テクノロジーやカルチャーコードの変化により、ファン同士の関わり方や情報交換の方法はアップデートされ、排他的というよりはインクルーシブに、批判的というよりは友好的に、ファンコミュニティが進展しているのです。そんな自分の好きなものにとことん熱を注げる場が「ファンダム」です。

近年のファン文化を紐解く調査を実施

 近年のファン文化やその考え方、ブランドに対する受容性を理解するために、Twitchは文化的インサイトとブランド戦略のコンサルティング会社Crowd DNAと共同で調査を行いました。その結果をまとめたレポートが「Anatomy of Hype: Engaging fans in a new era of fandom(刺激的な広告の分析:新しいファンダムの時代のファン獲得法)」です。

 このレポートは、世界12ヵ国1万2,000人のファンを対象にした調査の結果と、専門家と10個の注目すべきグループへのインタビューに基づいて作成されています。

「Anatomy of Hype: Engaging fans in a new era of fandom」より目次一覧
「Anatomy of Hype: Engaging fans in a new era of fandom」より目次一覧

 次のページから、このレポートの内容を踏まえて、現代のファン文化について紹介していきます。

ファンコミュニティそのものが拡大している

 今、人が魅力を感じるほとんどのものにファンダムがあります。読者の皆さんの中で「エクストリームアイロニング」というスポーツを知っている方は少数かもしれませんが、こんなニッチなスポーツにも、『ロード・オブ・ザ・リング』のような誰もが知るメジャーなコンテンツと同様にファンダムは存在していて、誰もがデジタル上で気の合うファンを気軽に見つけることができます。

 実際に、調査レポートでは、この数年で各ジャンルのファンダムが顕著に大きくなっていることが報告されており、その伸び率はゲームは+26%、スポーツは+20%、SF/ファンタジーは+19%となっています。また、単純にファンダムに属する人数が増えただけでなく、ファン同士が繋がる方法や、ファンが自ら作成・発信するコンテンツも増え、多様性も高まっています。

 言うまでもなく、このような変化をもたらした大きな要因は、身近なツールやテクノロジーを用いて、国境を越えて人と繋がったり、コンテンツを作ったりすることのハードルが大幅に下がったことにあります。

 ですが、ファンダムの急成長の要因を探るなら、まずは人がファンダムを求める根本的な理由に目を向けるべきです。

人々が「ファンダム」を求める理由

 何かしらのファンであることは、対象がニッチなものであったとしても、隠さなければならない恥ずかしいことではなく、むしろ自慢できるほどポジティブなものになりました。

 たとえば、大人が人気のゲームやキャラクターのトレーディングカードを集めることも、ラグビーオーストラリア代表のワラビーズをサポートすることと同様に受け入れられています。ファンダムというコミュニティが広く受け入れられるようになったことで、人々は批判を恐れずに「自分は〇〇のファンだ」と公言できるようになっているのです。実際に調査対象者の63%は「自分が何かしらのファンであることを誇りに思っている」と回答し、71%は「ファンであることは素晴らしいと思っている」と回答しています。

 また、興味深いことに、5人中4人が他者を通じて自分の趣味を発見しているという数字もあります。ファンダムに参加することで、ファン同士の関係性がより深まるわけですから、これは素晴らしいことです。

 ファンダムの一員になれば、誰もが求める“帰属感”などの社会的ニーズを満たせるだけでなく、多くの感情的欲求をも満たし、自分のアイデンティティを見出すこともできます。他にはない方法で、自分をエンパワーできるのです。

 現に、調査対象となったファンの70%は、ファンダムとそのコミュニティは日常生活の一部であると回答し、ファンになった主な理由として現実逃避、エンパワーメント、コミュニティを挙げています。

自由にカジュアルに「好き」に情熱を注ぐ「流動的ファン」

 少し前まで、潜在的なファンは知識や熱意があることを証明しなければ、ファンダムに受け入れてもらえず、まともに相手にすらしてもらえませんでした。ところが最近はずいぶんと柔軟になっています。

 新しい主流のファンコミュニティは、ファンダムへの愛を表現する方法はいくらでもあることを理解していますし、カジュアルなファン同士の交流を歓迎しています。

 このような現代のファンを「流動的ファン」と言い、彼らは自分以外のファンがどのように情熱を表現するかということよりも、新しいコンテンツを発見し、それに関わって自分が楽しむことのほうを重視するそうです。また、同時に様々なコミュニティを通じて自分を表現することに充足感を感じています。

 調査で、アニメからテックガジェットまで10種類の幅広いファンダムのリストを見せたところ、流動的ファンは平均7.6種類のファンダムを楽しんでいると回答しました。そのくらい、ファンダムへ参加するハードルが低くなっているということです。

 こうした多様化の動きは、個々のカテゴリーの中にまで及んでいます。どういうことかと言うと、たとえば、調査対象となった音楽ファンは平均4種類の音楽ジャンルを楽しんでいると回答し、ゲームファンは平均5.8種類のゲームジャンルを楽しんでいると回答しました。これは、各ジャンルへの深さを気にせず、純粋にファンダムにいることを意味します。

ファンダムを入り口に、ブランドのファンを作っていく

 人々が「好き」に傾ける情熱をインクルーシブに解釈し、発見、学習、つながりを求めるようになった結果、ファンダムはブランドにとっても人々と接点を持てる強力な場となりました。

 調査対象者の61%は、ブランドがファンダムに関連するコンテンツを応援したり、制作に関わったりするのを見て楽しんでいると回答しています。元々、多様性と受容性の高いオーディエンスにとって、自分の所属するファンダムに関与してくれる企業のブランドエクイティや第一想起率が向上することは、容易に想像できるでしょう。

 ただ、ファンは様々なチャネルを利用して、ファンダムへの情熱を注いでいます。エンターテインメント、学習、インフルエンサー、専門家などとリアルタイムに繋がりたい場合にはTwitchなどのライブストリーミング配信を選択し、それ以外のモーメントでファンと交流したい場合にはソーシャルメディアなどを定番のチャネルとしています。

 ブランドが流動的ファンの力を効果的に活用するには、彼らの行動やその背景だけでなく、場所や方法も知っておく必要があるでしょう。

 現代のファンは、制限や排他性と引き換えに、ダイバーシティのある友好的なコミュニティを手に入れました。既成概念にとらわれた考え方やルールを捨て、流動性や多様な「好き」を持ち、様々な方法でそれを表現しています。つまり、「ファン」という概念や、ファンが形成する「コミュニティ」が進化を遂げていると言えます。

 そして、ファンが多くの時間を過ごすファンダムへの扉は、ブランドにも開かれています。現在のファン文化をより深く理解することで、ブランドはファンを惹きつけ、ファンダムとの関係性を深め、自社の熱心なファンダムを拡大していくことができるのです。

本調査の詳細ならびに刺激的な広告に参加する方法については、お気軽にTwitch Adsまでお問い合わせください

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提供:アマゾンジャパン合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/10 14:05 https://markezine.jp/article/detail/44107