ユーザーの行動に着目し「ついやってしまう・やりたくなってしまう・やり続けてしまう」を実現する「行動中心設計」の考え方を、セガ エックスディーの伊藤氏が解説する本連載。第5回となる本記事では、これまで紹介してきたフレームワークを実際に活用した事例を紹介し、具体的な課題設定から解決策の策定まで一連の流れをまとめます。
ユーザーの「やりたくなる」を生み出す企画の作り方
本連載では4回にわたり、「やりたくなる」をデザインする行動中心設計について紹介してきました。最終回となる本記事では、実際にフレームワークを活用した当社の取り組み事例を交えながら、行動中心設計全体を総括します。
今回は生活者の「やりたくなる」を設計するケーススタディとして、防災訓練をテーマに取り上げます。まずは目指すべきゴールを課題設定のフレームに沿って設定します。
この取り組みには「若年層に対し防災意識の向上を目指していく」という大きな方向性があります。そこで「Who:誰が」「When:どのシーンで」「Which:どの選択肢で」「Goal:何を選ぶべきか」の粒度で、防災訓練を通じて変容させたい行動レベルまで最小化して考えます。
今回は、防災訓練に「参加しない」「参加する」の行動選択肢から「参加する」を選択する、というゴールを設定。この課題設定を踏まえて、ユーザーが参加したくなるアプローチを考えていきます。

「ついやってしまう」を導くアイデア出し
連載の第2回で紹介した、「ついやってしまう」無意識な瞬間UXのフレームワークに沿って考えていきます。以下のワークシート中心に促したい行動をセットし8つの要素を掛け合わせ、アイデアが生まれるか試してみます。
以下は、各要素から出したアイデアの一例です。
・初期設定:最初から参加が前提になっている
・単純化/容易化:自宅ですぐにできる
・同調:あなただけ参加していないと告知する
・情報開示:迫っている未来の危機および影響度の情報を開示
・わかりやすさ:防災訓練で具体的に何を行うのかを明示
・リマインダー:開催日の前日に連絡を入れる
・フレーミング:特にアイデアはなし
・エラー予測:特にアイデアはなし
上記のアイデアを見る限り、単体の施策だけで無意識に「つい参加してしまう」行動変容を実現する難易度は高そうです。そこで次は、連載の第3回で紹介した意識的な瞬間UXによって「参加したくなる」行動変容が実現できるかを試みます。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- セガ エックスディーが語る、ユーザーの心を動かす「行動中心設計」な仕掛け連載記事一覧
-
- ユーザーの“やりたくなる”を使いこなせ!企画設計から行動変容を促すまでのフレームワーク活用
- 「ついやり続けたくなってしまう」を創出するには?人間の8つの基本属性から効果的な動機付けを...
- 3ステップで発想!ユーザーの「ついやりたくなってしまう」を喚起するUXの作り方
- この記事の著者
-
伊藤 真人(イトウ マナト)
ゲーミフィケーションデザイナー/株式会社セガ エックスディー 取締役 執行役員 COO
株式会社セガにゲームプランナーとして入社し複数タイトルのモバイルゲームディレクターを担当。 新規事業部門にてアドプラットフォーム事業を立ち上げ総ユーザー数1億超を達成。その後メディア/ポイントプラットフォーム/コミ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
