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丸亀製麺2023年のSNSを総振り返り Instagram、X、TikTokでの試みを一挙公開


Instagramのコンセプト「丸亀製麺の攻略本」にある狙い

MZ:ここからは各媒体の運用について伺っていきます。まずはInstagramについて、「丸亀製麺の攻略本」のコンセプトは非常にわかりやすいなと思ったのですが、裏側にはどのような議論があったのですか?

秋山:一番に考えているのは、丸亀製麺の提供する「驚きのある食べる幸せ」をどうInstagramで表現し、伝えていくかということです。最終的には、Instagramを見て丸亀製麺の店舗に行き、「食べることってやっぱり幸せだな」と再実感するというような体験を作りたい。そういった考えのもと、「丸亀製麺の攻略本」のコンセプトに行き着いています。

ホットリンクのソーシャルメディアコンサルタント 秋山幸世さん。丸亀製麺のInstagram運用を支援している
ホットリンク コンサルティング本部 コンサルティング3部の部長を務める秋山幸世さん。丸亀製麺のInstagram運用を支援している

 ただ、丸亀製麺において「食べる幸せ」をもたらすのは、うどんだけではないとも考えており、店舗体験そのものがプロダクトであると考えています。2023年は、丸亀製麺のこだわりを「うどん」だけに頼らない形でコンテンツ化しようと試みてきました。

MZ:たとえば、どういったものがありますか?

秋山:「ここは何のスペースでしょう?」とクイズ形式で店舗内のある設備を紹介するコンテンツがあります。丸亀製麺の調理場には、丼ぶり(器)を温めるためのスペースがあるのですが、これを見た時「これがチェーンの店舗で成り立つのがすごい!」と思いまして、丸亀製麺のこだわりを表現するものとして投稿したんですね。すると、これがとても好評で、今日時点で97万リーチ、再生回数で言うと116万超えになっています。

【アタリ】Instagramリールで2023年最もリーチが大きかった動画
Instagramリールで2023年最もリーチが大きかった動画(@marugame_

 これは私見ですが、“企業の裏側”に興味を抱く方はとても多いと感じています。企業やブランドがこだわっているところ、泥臭く頑張っているようなところは、お客様側からは普段見えないからこそ、希少性があり、需要もあるのだと思います。

Instagramで過去最高の伸び率を記録できた理由

MZ:なるほど。Instagram全体のトレンドについても教えてください。2023年はどのような変化が見られましたか?

秋山:元々、Metaはクリエイターを尊重する姿勢を強く持っています。近年はこれが加速していて、クリエイターをより尊重する目的で、オリジナルコンテンツが優遇して表示されるようになったり、「バッジ」や「ギフト」など投げ銭のような機能が追加されたりと、プロダクト自体のアップデートも多々ありました。

 この影響もあり、クリエイターも投稿数もInstagram全体でぐっと伸びている印象があります。ただ、ここについては企業によって吉兆が分かれるところで、色々なクリエイターが様々なコンテンツを投稿し、結果、投稿の全体量が上がると、1投稿あたりの露出が低くなるという課題も出てきます。企業においては、コンテンツが埋もれてしまう、そもそも表示されづらくなったなどの話も聞きます。

MZ:企業によって吉兆が分かれるというのは? 企業がInstagramを活用する時、数値を伸ばせるか否かの分かれ道があるのでしょうか。

秋山:動画は短尺で、ワンシーン2秒ずつでといったティップスも大事だと思うのですが、それ以上に、「自分たちのファンは何を求めているのか、どんなコンテンツを投稿すると喜んでくれるのか」といった分析ができているか否かが重要になってきているように感じます。

MZ:なるほど。全体的に投稿のクオリティが高くなっているために、Howのティップスよりも、WHO/WHAT的なところのほうが大きくなってきているんですね。

秋山:そうですね。実際、我々もそこのキャッチアップができていない時には数字が沈む傾向にありますし、丸亀製麺のInstagramが2023年上半期で過去最高の伸び率を出せたのも、お客様の分析がしっかりできているからなのではないかと思います。丸亀製麺のInstagramでは、ストーリーズでどんな投稿を見てみたいかを問いかけるなど、お客様を巻き込みながらお客様が知りたい情報を発信する工夫もしています。

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各社対応に追われたXの運用は?

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2025/09/04 18:00 https://markezine.jp/article/detail/44224

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