人材需要が高まる反面、人材の確保が困難に
──今回は、アデコ様にLINE公式アカウントの活用事例について伺います。まず、昨今の人材派遣業界の動向について伺えますか。
菊井:派遣業界は、コロナ禍から社会活動の正常化による人材需要の高まりが続き、堅調に推移しています。特にIT 関連職種や、稼働者数が多い一般事務職に対するニーズは高いです。社会的には原材料高による物価高騰など経済の先行き不透明感はあるものの、今後も多くの業界で人手不足は続き、企業からの人材派遣に対する需要は引き続き高まっていくと考えています。

部長 菊井直人氏
──人材派遣業界が抱える課題について教えてください。
菊井:“日本国内の人口減少”と、“ITやAI技術の進化による仕事の代替”があると考えられます。人材派遣業では、働き手の減少にともない、人材の確保が困難となることは大きな課題です。
またスキルを磨いて派遣する、育成型派遣が拡大したことにより研修コストも増えています。そのため、派遣スタッフの確保は色々な側面で難易度が高くなっているとも言えますね。
媒体やWeb施策の限界と、LINE公式アカウントの可能性
──こうした中、アデコ様はどのような課題感を持っていたのでしょうか。
菅原:採用媒体やWeb施策に少し限界を感じていました。アデコは、知名度はあるのですが、今後派遣スタッフとなりうる方々を確保する中長期的な戦略で、新たなアプローチが求められていました。
加えて、顧客との効果的なコミュニケーションチャネル、顧客の行動履歴や属性情報の収集なども課題でした。属性情報を収集することで、パーソナライズされた広告配信するほか、登録に至らなかった求職者へのナーチャリングや呼び戻しを行いたいと考えました。
──アデコ様はLINE公式アカウントを活用したプロモーションに取り組んでいらっしゃいます。従来のプロモーションと比べ、どのような点に魅力を感じたのでしょうか。
菅原:実はLINE公式アカウント導入以前に、グローバルも巻き込んだアプリ導入のプロジェクトが進んでいました。しかし日本におけるLINEのアクティブユーザー数から市場規模を考えると、LINEというチャネルはとても魅力的でした。また、他社のLINE公式アカウント運用がまだ軌道に乗っていない点もチャンスだと思い、本格導入を決めました。

シニアマーケティングエキスパート 菅原悠太氏
菅原:LINEですと、プッシュ通知や友だち追加をともなう情報発信で、双方向型のコミュニケーションができる点が魅力でしたね。採用媒体やWeb施策にかわる第3のコミュニケーション手段として、新規および既存に対するアプローチを期待していました。