カルチャーとの接点をどのように見出すか。ドワンゴ流のマーケティングステップとは
MZ:どのようにカルチャーを捉えてマーケティングを行えばいいのでしょうか。
髙橋:まずは、企業様の実現したいことをよく分析した上で、カルチャーとの接点を見つけ出すことから始めていくと良いと思います。
このとき安易にデモグラで紐づけたり、話題に乗っかったりするのではなく、ユーザーのエンゲージメントや好感度をより高める観点から、カルチャーに即した施策を打つことが重要だと考えています。だからこそ各カルチャーに特化した人材や時には各カルチャーのトップクリエイターを巻き込み、意見を聞きながら、施策を立てていくことがポイントです。
そうして、それぞれの企業様に合った企画やコンセプトを検討し、適したカルチャーやコンテンツ、展開案も含めて、多層構造でマーケティングを行う必要があります。
MZ:インフルエンサーマーケティングとの違いを教えてください。
髙橋:クリエイターやインフルエンサーとリレーションがあることは両者に共通しています。違いとしては、インフルエンサーマーケティングは、一点を刈り取る、瞬間的な施策になりがちです。はやり廃りがあり、一定のファン層にアプローチし続ける難しさもあります。
対して、カルチャーを捉えたマーケティングは、循環するアプローチになります。同じカルチャーの中でも、新しいクリエイターやネクストブレイクの方がどんどん生まれていくので、点で終わらず線を描ける。ワンショットで終わらない継続性があるように思います。
もはや「サブ」ではない、Z世代・α世代をつかむアプローチ
MZ:では昨今の「サブカルチャー(以降、サブカル)」はどのようになっているのでしょうか。
髙橋:サブカルというと以前は「オタク」を連想し、抵抗感を持つ方もいました。『電車男』が話題になった20年ほど前にさかのぼると、当時はたしかに、社会にあまりなじめない一風変わった人のようなイメージがあったかもしれません。
しかし、サブカルに代表されるボカロやゲームやアニメなどは、もはや「サブ」という言葉でくくれないほど、Z世代やα世代の若い人の間で身近になっています。ボカロは、カラオケランキングで上位になっていますし、ソニー生命さんが毎年発表されている「中高生が思い描く将来についての意識調査2023」ランキングでも「ボカロP」は上位になっています。
弊社では「サブカル」という言葉をあえて使いますが、もはやサブカルのコンテンツ自体が大衆文化になっているのだと思います。
MZ:サブカルを起点とするマーケティングには、どんな効果があるのでしょうか。
髙橋:カルチャー文脈では色々なカルチャーが存在しますが、サブカルは10〜20代の若年層が中心です。
したがって若い世代にリーチでき、「好き」を起点に集まる人たちに向けて、より深い文脈でアプローチができる点が魅力です。弊社でもいわゆるサブカルに含まれない、将棋やスポーツ、公営競技を使った施策の実績がありますが、年齢層は高くなりがちですね。
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