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MarkeZine Day 2023 Retail

「スーパードライ ドライクリスタル」発売の裏側に学ぶ、新商品で未来の売上を切り拓く方法

プロモーションでも「未来志向のビール」を体現

 「ドライクリスタル」のプロモーションでは、テレビCMやSNSなどデジタルを活用し、販促・広告活動を積極的に展開していった。

 広告では「ビールとの新しい付き合い方、はじまる。」をメッセージに、「ドライクリスタル」を通じた新しいビールライフを訴求。発売前も含め、テレビCMを放映することで認知拡大と飲用喚起を図った。

 そして、「ドライクリスタル」の世界観を訴求するため、最新テクノロジーを活用したデジタルプロモーションにも力を注いだ。

 たとえば、生成AIを活用してオリジナル画像を作成できるサービス「Create Your DRY CRYSTAL ART」。任意のテキストと自身の画像をアップロードし、場所やその時の気分で「水彩画風に」「アニメ風に」などと指定をすると、アップロードした画像を生成AIが加工し、アート化してくれる。

 また、「ドライクリスタル」と「パックマン」がコラボレーションした新感覚ARゲーム「DRY CRYSTAL × PAC-MAN」も実施。特設サイトからカメラを立ち上げて「ドライクリスタル」の缶にスマートフォンをかざすと、AR(拡張現実)技術によって缶に映し出された拡張現実の世界で「パックマン」が楽しめる。ゲームとしてプレイできるだけでなく、総合ランキングや都道府県別ランキングといった機能も組み込まれた。

 玉手氏はデジタルプロモーションについて、「今回『未来』をキーワードとして商品に盛り込んでいることから、プロモーションも未来を感じてもらえるような内容にしたいと考えていました」と話す。想定以上の参加があり、SNS上にはポジティブな投稿が多く見られたと説明している。

 こうした施策の成功もあって、「ドライクリスタル」は発売から1週間で100万箱を突破し、好調に推移している。取り組みを振り返った玉手氏は、次のように自身の考えを述べた。

 「冒頭でお話ししたように、お客様の人生が変化している中、自分たちの商品やマーケティングとの関係性が変わらないというのは考えづらいです。ただ同時に、今取り組んでいること、既存の商品が今のビジネスを作っているのも真実で、それをないがしろにすることもできません。

 そんな中、新しい挑戦として生まれた『ドライクリスタル』は、ビールとの新しい付き合い方の提案です。ライフスタイルやカルチャーはお客様のもので、すぐに変わるものではないと認識していますが、こうした新しい選択肢がお客様の生活に実装されていくきっかけは、我々メーカー側からしか発信できないと思っている部分なので、まだ道半ばにある今回の挑戦を必ず成功させたいと思っています」(玉手氏)

 さらに、これからも変化する市場に対応し続け、アサヒビール、スーパードライブランドとして常に新しい挑戦を続ける姿勢を示してくれた。ドライクリスタルの挑戦に引き続き注目が集まる。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/28 08:30 https://markezine.jp/article/detail/44473

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