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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】2024年の消費者インサイト

電通消費者研究プロジェクトDDDより 「2024年の欲望トレンド」を発表

 人は心の中にいくつもの欲望を持っています。個々人により持っている欲望は様々ですが、無意識のうちに社会の空気感や風潮を読み、心の奥底に潜む欲望に反映させています。ゆえに、欲望は社会や環境の変化に応じ、時代とともに姿を変えていくのです。その時代を象徴するような大ヒットは、消費者の心=欲望が動く大きな潮目を捉えられていたりします。本稿では、消費者の欲望を調査研究している電通の組織横断プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN」が予測する、2024年の欲望トレンドを紹介します。

※本記事は、2024年1月刊行の『MarkeZine』(雑誌)97号に掲載したものです

欲望の体系化を試みる「DENTSU DESIRE DESIGN」とは

株式会社電通 第4マーケティング局 未来シナリオコンサルティング部 プロデューサー/プランナー 千葉貴志(ちば・たかし)氏

株式会社電通 第4マーケティング局 
未来シナリオコンサルティング部
プロデューサー/プランナー 千葉貴志(ちば・たかし)氏

 2008年電通入社。営業、デジタル、テレビ、電通総研などの部署を歴任し、現在はDENTSU DESIRE DESIGNの一員として欲望を基点とした消費動向やトレンド研究に従事。また、未来の企業価値を創発する未来予測支援ラボ/未来事業創研にも所属。アイスホッケーが好き。

株式会社電通 第2マーケティング局 マーケティングコンサルティング1部 プランニング・ディレクター 佐藤尚史(さとう・ひさし)氏

株式会社電通 第2マーケティング局
マーケティングコンサルティング1部
プランニング・ディレクター 佐藤尚史(さとう・ひさし)氏

 古今東西の人文知を武器に企業と社会をつなげるマーケティング戦略の立案とアイデア開発を行う。サービス設計からワークショップ企画、イベント実施まで行う究極のプランニング雑用。個人的パーパスは「人を知ると社会がよくなる」。ポッドキャスト「ニンゲン広告社」主宰。たまにシナリオライター。

──はじめに電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(以下、DDD)」について教えてください。

千葉:DDDは世の中の消費全体の流れを調査研究する、電通の組織横断型プロジェクトです。どんな時代にも人の心の中にあるものとして「欲望(Desire)」に着目し、定量・定性調査をもとにこれらを理論的かつ体系的に捉えるチャレンジをしています。

 特徴は「欲望」と「ニーズ」を区別していることです。データマーケティングの進化が著しい昨今、ニーズやリアクションなど消費者の行動は大方数字で見えるようになっています。これ自体はよいことなのですが、数値化されたニーズばかりを追いかけるあまり、「なぜそのようなニーズが生まれているのか」という手前の部分を捉えられていない状況に課題感を持っていました。データマーケティングが主流になっているからこそ、ニーズのさらに奥に潜む、消費行動の源泉となる心理的ドライバー=欲望を探り、ここを軸にマーケティングを考えていくことが今後さらに大切になってくるだろうと考え、研究にあたっています。

──DDDはどのような方法で「欲望」を定量的に捉えているのでしょうか?

千葉:DDDでは、消費者行動モデルとして「欲望(Desire)行動モデル」を提唱しています(図表1)。

図表1 「欲望(Desire)行動モデル」
図表1 「欲望(Desire)行動モデル」

 これは、生理的欲求/安全欲求など人間が本能的に持っている「根源的な欲求」と、世の中の移り変わりによって変化してゆく人々の「価値観」が掛け合わされて「(今の時代の)欲望」が生まれてくるという考えのもと構成されたモデルです。欲望を定量化するDDDの試みもこのメカニズムをベースに行われており、簡略的に説明すると、根源的欲求と価値観の両方を定量調査・分析することで欲望を捉えるアプローチをとっています。

 たとえば、我々の研究成果の1つとして、2022年に発表した「11の欲望」があります(図表2)

図表2 「11の欲望」。アンケートなどで人が実感できるレベルまで根源的欲求をブレイクダウンした43の欲求項目を因子分析にかけることで、11の欲求因子を抽出。(タップで画像拡大)
図表2 「11の欲望」。アンケートなどで人が実感できるレベルまで根源的欲求をブレイクダウンした43の欲求項目を因子分析にかけることで、11の欲求因子を抽出。(タップで画像拡大)

 これは定期的に実施している『心が動く消費調査』の結果を分析し、現代の消費者がみな持っている欲望を集約したものです。強弱はあれど、誰もがこの11個の欲望を心の中に持っていると考えており、不変的とまでは言えませんが、今後も長期にわたって使える欲望体系だと自負しています。

 今日ご紹介する「2024年の欲望トレンド」は、11の欲望が消費者の中にあるとした上で、直近の世の中の文脈を「欲望」の観点から読み解いたものです。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/01/26 14:59 https://markezine.jp/article/detail/44538

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