やらなくていいことをやって月間1800万PV「デイリーポータルZ」
――個人で運営されている「webやぎの目」がヒットした後、今度は企業サイトのウェブマスターになられたんですよね?
はい、ニフティという会社で「デイリーポータルZ」というサイトを始めました。もともと担当者は僕1人で、いろいろなジャンルのニュースを集めたポータルサイトでしたが、自分で記事を書いてないのでつまらなくて(笑)。それで隅っこの方に「缶チューハイ飲み比べ」とか独自記事を書き出しました。
――ははは。そこから今の「デイリーポータルZ」の形になったのですか?
始めのうちは僕1人で、缶詰を食べて写真をサイトに載せたり、社内でできる範囲で記事を書いてました。それが好評だったので他のライターにも記事を書いてもらって、日替わりで特集記事が更新される、今のスタイルになりました。

――最初は1人で運営していたサイトが、随分大きくなりましたね。
今はライターが20人くらいで、編集部も6人に増えました。人が増えるなんて思ってもみなかったですけど。こそこそ目立たないようにやってきたのが、なんでこんな規模になったのかなって(笑)。
――ちなみに今のアクセス数はどれくらいですか?
月間で1800万、1日60万件くらいです。
――お~、すごい数字ですね! 「デイリーポータルZ」の面白さと言えば特集記事だと思うのですが、食べ物を青くしてみたり、納豆を1万回混ぜたり、ライターさんの記事はかなり個性的ですよね。
そうですね、そのためにライター自身が本当に興味のあることを、楽しんで書いてもらうようにしています。ライターが面白がってないとやる理由がないんですよね。大抵やらなくていいことをしてるので(笑)。


――それでユニークな記事が生まれる訳ですね。あとこれだけ多くのライターさんが顔を出してるサイトも珍しいと思いますが、何か理由があるのですか?
名前も顔も出して、正直に記事を書いてもらうためです。身分を明かさないと、何書いてもいいやって思うじゃないですか。これだけ名前を出してウソの記事を書いたら、自分の今後の人生に影響しますから(笑)。自分にウソをつかないで書くことが大事だと思います。
――ではウェブマスターとしての「デイリーポータルZ」のこだわりは何ですか?
