GMOリサーチ&AIは、6月19日、広告の「No.1」表記に関する自主調査を実施した。
「No.1」表記により約60%の人の購入動機に影響
まず、「No.1」の表記が購入の動機に影響するかを質問した。その結果、影響する(かなり影響する・影響する・やや影響する)と回答した人は、58.7%となり、「No.1」の表記が購入時の検討材料として影響をおよぼしていることがわかった。
約半数が「No.1」表記を見て「よく売れている商品」と感じる
次に、「No.1」表記が付いている商品・サービスを見てどのように感じるかを質問したところ、41.9%の人が「よく売れている商品だと感じる」と回答した。他にも、「多くの消費者が支持している商品だと感じる」や「優れた商品だと感じる」の回答が上位を占めており、「No.1」表記が優良な商品イメージにつながっていることがわかった。
全体の4割強が「No.1」表記の根拠を確認すると回答
続いて、「No.1」表記の根拠を確認するか尋ねたところ、46.9%の人が「ほとんど確認しない・確認しない」と回答したことがわかった。
このことから、「No.1」の根拠が不十分、もしくは「No.1」ではない場合でも、表記することで多くの消費者が商品を良さそうと誤認して購入してするリスク高まることがわかった。
「No.1」表記で摘発を受けた企業のサービスに対する購入意向は9割以上が悪化
最後に、消費者庁の「No.1」広告の摘発を受けた企業への消費者のイメージを聞いたところ、36.8%の人が「良いイメージを持たない・あまり良いイメージを持たない」と回答した。
また、摘発を受けている企業の商品・サービスの今後の購入意向を聞いたところ、49.6%の人が「比較検討はするが、大きなメリットがない限り利用しない」、29.5%の人が「今後購入しないと思う」と回答。このことから、摘発により企業・商品イメージが悪化し、顧客離れにつながっていることがわかった。
摘発を受けた企業に対するイメージを自由回答で調べると、「信用できなくなる」「詐欺まがいに思える」「企業の営利活動だけを重視する企業と思え購入意欲がわかない」「商品に対して企業の自信のなさの表れ」といった厳しい意見が多く寄せられた。
これらの結果から不適切な調査に基づいた広告の「No.1」表記を使用した場合、景品表示法違反のリスクに加えて、企業イメージの毀損、顧客離れ、売上減少、事業停止につながるリスクがある。
「No.1」表記を掲載する場合は、以下の調査プロセス、調査結果、表示方法に注意することが重要だという。
- 調査プロセス:調査は客観的かつ合理的な根拠に基づくようにする
- 調査結果:第3者機関による検証を受ける
- 表示方法:誤認を招かないよう注意する
【調査概要】
テーマ:「No.1表記・広告に関する」実態調査
回答者数:4,914人
対象:20歳以上の男女
期間:2024年5月23日~2024年5月24日
方法:オンライン調査
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