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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

【100号特集】24社に聞く、経営構想におけるマーケティング

目指すは「シェアNo.1」ではなく「唯一無二」、花王がマーケティング戦略を変えた背景

「このブランドだから購入する」選ばれ続けるために

――最後にマーケティング部門において現在掲げられている目標や、今後の展望についてお聞かせください。

 今後は、生活者とのコミュニケーションを深めることで、その商品をずっと使い続けていただける方を増やすロイヤリティ・マーケティングに力を入れていきたいです。従来は、大衆ニーズを捉えた「大量生産、大量消費」を前提としたモノづくりを行い、魅力あるテレビ広告や店頭づくりでトライアルを獲得するマス・マーケティングが主流でした。今は、花王の商品をずっと使い続けてくれるという、ファン・ロイヤリティを増やすマーケティングへシフトしていくため、KPIや仕組みを変えています。

 実際に成功例も出てきています。たとえば生理用品ブランドのロリエでは、女性の生活者の悩みに寄り添うという軸で進め、女性の生活者や企業様の声を聞きながらサービスを改善してきました。

 このように生活者とのコミュニケーションを大切にし、寄り添った取り組みを続けていくことで、「たまたま手に取ったのがロリエだった」ではなく「ロリエだから買う」と言っていただけることを目指しています。これまで会議では「シェアが高くなった」ことに注目していましたが、今では「この後どうすれば商品を選び続けていただけるか」といった話が積極的にされるようになっています。結果的にユーザー数も非常に増えています。

 また「選ばれ続けるブランド」になるには、「ブランドとしてどうあるべきか」つまりブランドのパーパスに共感していただくことが重要であり、パーパスドリブンマーケティングにも力を入れています。たとえば、グローバルプレステージブランドKANEBOの「化粧品を売っているのではない。希望を売っている」というパーパスに基づくメッセージには、商品を売って終わりではなく、生活者と向き合っていきたいという想いを込めています。一人ひとりの肌に“希望” を宿し、美しさをより引き出すという商品や世界観、メッセージ性などKANEBOの提案に対して多くの方々から大きな反響をいただいており、数字としての結果も出ています。

 このように花王のDNAを守りつつ、現代の生活者に寄り添ったマーケティングを展開していきたいと思います。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/20 11:03 https://markezine.jp/article/detail/45367

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