失敗から学ぶ!BtoBマーケティング成功企業の反省
マネーフォワードと日商エレクトロニクスという、BtoBマーケティングで成果を出している企業の取り組みを紹介しながら、売上に貢献できるマーケターになるヒントを探っていった本セッション。まずはそれぞれの過去の失敗談を共有することから始まった。
日商エレクトロニクスの近藤氏が失敗談として最初に挙げたのは「プロダクトプッシュのメッセージ」。同社が扱う商材には、海外メーカーから輸入したプロダクトもある。そのため海外メーカーが考えるプロダクトの強みをそのまま日本の顧客にメッセージとして伝えたがゆえに上手くいかないことが多々あったという。
「海外と日本では、市場のステージが違います。海外で売れ始めたものが、5年くらい遅れて日本にやってくる傾向があるのです。そのため海外メーカーが推す性能が日本のお客様が今求めていることとは限りません。課題感を醸成しつつ、日本市場に合わせてメッセージを発信する必要があるのですが、実際には海外メーカーが発信するプロダクトプッシュのメッセージをそのまま使ってしまうマーケターも少なくありません。結果としてお客様の心に刺さらない、自己満足なメッセージとなってしまいます」(近藤氏)
2つ目に挙げられた失敗談は「自社が獲得したい顧客と異なるターゲティング」。これは「早く実績を作りたい」という気持ちが強いために生じるという。気持ちが先走るあまり「自社にとって本当に必要な顧客なのか」を考えることなく「とにかく購入してくれる顧客」をターゲティングしてしまうのだ。
その結果、目の前の案件を獲得することだけに集中する「出会い頭 案件狙い」状態に。そこにはリードを育てるといった意識はない。案件を獲得した瞬間は良くても、継続しない状況に陥っていってしまうという。
一方マネーフォワードの成末氏は、失敗談として「ターゲットレンジや販売先部門を考慮しない販売促進」を挙げた。
「私は新しいサービスの立ち上げに携わることが多いのですが、様々な手段がある中で何を選択してプロモートしていくのかが、常に悩ましいと感じています。ターゲットレンジや販売先部門が異なるにもかかわらず他で上手くいった手法をあてはめても成果は出ないことを学びました。その部門の普段の行動などを考えて設計しなければいけないと思います」(成末氏)
売上につながるリードを獲得するために、顧客と会話する
才流の栗原氏が「過去の失敗談を踏まえて、現在リード獲得する上で大切にしていることはあるか」質問したところ、日商エレクトロニクス近藤氏は「適切なメッセージ」「自社のターゲットにあった顧客」「獲得単価(ROI)」「獲得後から案件化までの流れを意識」の4つを挙げた。
中でも「適切なメッセージ」で大切にしていることの1つとして、近藤氏は「顧客志向であること」を紹介した。
「バリュープロポジションを社内で最初に練ります。『日本のお客様はこのような課題を持っている』『まだ気づいていないかもしれないが、課題感をどう出していこうか』といったことを最初にブレストし、すべての商材でカスタマージャーニーを作った上でメッセージを発信します」(近藤氏)
この発言に対して栗原氏は「扱っている商材が多いにもかかわらず、すべてにおいてカスタマージャーニーを作っているとはすごいですね。確かに成果を出している企業のマーケターも同じ傾向がありますが、実際は日々の施策実行の部分にリソースが取られてしまい、手が回らない企業も少なくありません」と述べた。
加えて近藤氏は顧客志向であるために、マーケターも顧客と接する機会を持つようにしていると説明。インサイドセールスとの一部兼務や営業同行、イベント後のアンケート実施を通して、ペルソナの課題感やペインを確認し、アップデートし続けていると語った。
「ペルソナ不要説もありますが、私は刺さるメッセージを作るにはペルソナは必要だと考えます。プロダクトプッシュメッセージになることも避けられるでしょう。ターゲットとなるお客様を突き詰めていけば、そこから横に広がっていくのではないでしょうか」(近藤氏)