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ノバセル田部正樹の事業を成長させる“商売視点でのマーケティング”とは

かっこいい広告でエアコンは売れない 儲けるためのブランディング論【ダイキン片山氏×ノバセル田部氏】

今のイメージを捨てて新しい引き出しを狙うのは△

田部:新たな引き出しを狙おうとするとき「今のイメージは大事にしながら新たな魅力を加えていきたい」という欲や「今のイメージを捨ててでも他のジャンルを狙いたい」といった悩みが生じると思います。

片山:断言は避けますが、今のイメージを捨ててまったく新しい引き出しを狙うことは基本的におすすめしません。人間が抱いているイメージは、そう簡単に変えることはできないんです。新たなイメージを定着させるためには、多くのリソースが必要となります。そのため、これまで培ってきたイメージを活かしながら、近接するジャンルに広げていくことをおすすめします。

片山:当社ではエアコン以外の引き出しを考えた結果、エアコンに関係する新たな引き出しとして「空気に関わる」を狙うことに決めました。先ほどお話したとおり、エアコンは13年に1回しか購入検討されない商材です。そのため、大抵の場合は自社に興味を持ってもらえません。「熱帯夜を快適に過ごしたい」「電気代を抑えたい」など、様々な引き出しに入ることでカテゴリーエントリーポイントを増やし、主戦場である「エアコン」の引き出し内で想起される可能性を高めようとしています。ブランディングは複雑で、時間がかかる取り組みだと思います。

プロモーション以外の3Pを理解することが重要

田部:片山さんとの対談を通じて、ブランディングの大切さを改めて学ぶことができました。

片山:ブランディングの本質は変わっておらず、多くの古典にも載っています。流行を表面的になぞるのではなく、古典をしっかり学びながら最先端のプロの話を聞いたり、トレンドを取り入れたりして、定義を自分のものにしていく姿勢が大切です。これによって、マーケターとしての専門性も高めていけるでしょう。マーケティングは非常におもしろく、やりがいのある仕事です。日本で今最も求められている業務だと思います。

 4P(Product、Price、Place、Promotion)のうち、MarkeZine読者の中にはプロモーションを担当されている方がほとんどだと思いますが、他の3Pがどのような状況にあるかも理解する必要があります。場合によってはプロモーションではなく、プロダクトや流通にお金をかけるほうが良いケースもあるでしょう。そもそも価格戦略を間違っていたら、どんなプロモーションを展開してもうまくいくはずがありませんから。これらは私自身が失敗を繰り返してきたからこそ感じていることです。

 マーケティングの基本である4Pを正しく理解する──これが田部さんのおっしゃる「マーケティング=商売」という定義の捉え方の一つだと思っています。

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/05/21 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45494

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