供給過多のオンラインイベントで「選ばれる」のに必要なことは?
一方、オンラインイベントも変化、進化していく必要があります。世の中にオンラインイベントが増え供給過多とも言える状態の中、自社のイベントへの参加を選んでもらわなければならないからです。当社も多数のオンラインイベントを開催してきましたが、参加者は画面を見続けているわけではないということを前提にブラッシュアップを続けています。
たとえば、「見ていない」ときでも何か別の作業をしながら「聞いている」ことは多い。そのため、セッション間の幕間で有名声優を起用したアニメ動画などを制作し、「耳」で興味を持たせて「目」を画面に向けさせる施策を実施しました。
その他にも、ニュース番組のように画面下にSNSの投稿をリアルタイムで投影したり、複数台のカメラを使用して動きのあるカメラワークを行ったり、注視を促す工夫も行っています。オフラインのセッションをそのまま投影するのではなく、ある意味テレビ番組のように作り込んだコンテンツを提供する方向に進化してきました。
つまり、オフライン以上に演出要素を高めて、画面の情報密度を高めることがオンラインイベントには求められるのです。

ハイブリッドイベントの可能性
当社は、2022年度の「updataDX22」にて、初めてオフライン+オンラインのハイブリッド開催を実施しました。前述したオフライン・オンライン双方の特長を生かしてコンテンツやプログラムを企画し、弊社史上、最大規模のイベントとなりました。
2023年の「updataNOW23」も若干形態は変えましたが、オンライン・オフラインの両方で実施しています。まだまだ模索中ではありますが、オフライン、オンライン双方の良さを生かし、相乗効果をもたらすハイブリッドイベントが持つ新たな可能性を感じています。
3回にわたる連載で、イベントマーケティングにおける設計とデータ活用の重要性、コロナ禍以降のイベントのあり方を考えてきました。
イベントのどの局面でも大切なのは、目的を明確にすること。そして、単にデータを収集するだけでなく、意味のある指標で観測し、開催前・開催中・開催後とあらゆるフェーズでしっかりとデータを分析・活用し、リアルタイムでのリカバリ施策や長期的な改善策へとつなげていくことです。
どのように世の中の環境が変化しようと、オフライン・オンラインいずれかで開催しようと、これらのポイントを押さえてBtoBイベントを設計・実施していくことで、イベントが自社のリード獲得の大きな武器になっていくと思います。
今回の連載がこれからのイベントマーケティングのヒントになることを願っています。
過去の連載は以下からご覧になれます。
BtoB企業における「イベントマーケティング」の新常識、データ活用で勝つイベント攻略法
─ 今の時代に知っておきたいイベントマーケティングの基本
─ BtoBイベントを成功に導く設計に必要な5つのステップとは?
─ 開催中~終了後も成果が伸ばせる!BtoBイベントのデータ活用と今後のあり方(本記事)