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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

ブランドは気まぐれな消費者とどう向き合うべきか?

大きなトレンドを追いかけると“空振り”になるかも?若者研究のプロに聞く「Z世代×界隈消費」の実態

小さな界隈から大きなムーブメントを!界隈を捉えるためのポイント

――細分化・多様化している「界隈」を捉えるためのポイントはありますか?

長田:やはり、生の声を聞くことが一番だと思います。私たちの場合は、SHIBUYA109渋谷店を活動拠点に、毎月およそ200人のaround20(主に15歳~24歳)の男女と接しています。

 「そんなにたくさんの人と接するのは難しい」という場合は、まずSNSをチェックしてみるとよいと思います。知りたい界隈に関連がありそうな投稿にあるハッシュタグをどんどんディグっていくと(深掘りしていくと)見えてくるものがあるはずです。

 ちなみに、界隈は小さくても構いません。小さい界隈を育てていくといった考えでリサーチするほうがよいと思います。

――界隈について知りたいときは、界隈、コミュニティの主のような人と話をするのでしょうか?

長田:界隈にもよりますが、界隈内はフラットな関係であることが多く、主のような人を見つけることは難しいかもしれません。主のような人でなくても、その界隈が好きな人に一対一でデプスインタビューを実施することで、多くのことがわかると思います。

大きくなりそうな界隈を見つけるコツは?

――数ある情報の中から、どれがトレンドになるか見極めるコツはありますか?

長田:感覚的な話になってしまうのですが、熱量を捉えるようにしています。その話をしてくれた人に流行っている理由や魅力を聞いたときにどれほど熱量を感じるか、です。「周りで流行っているから」と答える人が多い場合、ほとんどの人はそのトレンドに執着していないため、一過性のバズで終わってしまう可能性が高いです。また、SNSのフォロワー数や再生回数だけでは深い部分まで捉えられないため、読み違えることもあるでしょう。

 「Z世代向け」などマスで展開していこうとすると、受け手は「一口にZ世代といっても、いろんな人がいる。一体誰向けなんですか」と思ってしまうかもしれません。結果的に誰にも響かない状態になってしまうでしょう。

 それよりも「この界隈のZ世代向け」と絞って、その人たちと一緒に熱量を楽しもうとする姿勢が大切です。特定の界隈が熱量高く盛り上がっていると、「あの界隈の子たちが楽しんでいるなら私たちも」と少しずつ他の界隈にも伝播し、やがて大きな波になっていくと考えます。これがまさに今のトレンドの生まれ方です。

 企業側が界隈にしっかりと向き合い、深く理解していることをコミュニケーションやプロモーションに乗せて伝えること。ファンも喜んで、より積極的に応援してくれると思います。

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VTuber界隈の盛り上がりは今後も続く? 界隈消費の例

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/06/24 09:30 https://markezine.jp/article/detail/45553

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