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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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広がる企業の音声活用!聴覚に訴えるマーケティングを探る

「木梨の会。」「ハライチのターン!」タイアップの秘訣 TBSラジオが語る広告主が音声で結ぶべき関係性

音声広告も“推し活”の一部に 番組を起点とした多角展開へ

━━そうした媒体の強みを活かすうえで、御社では広告主に向けてどのような支援をしていますか?

福井:多岐に亘るため、基本的にはターゲット、目的を伺い、それにマッチするソリューションを組み合わせてご提案しています。

 たとえば、特定の性・年代が定まっていれば、それに見合うコンテンツの中身から、地上波/ポッドキャスト番組とのタイアップを提案。そのなかでもリーチを求めるなら、地上波の番組との企画やその番組のポッドキャストも組み合わせた企画にする。特にエンゲージメントの高さを求めるなら、ニッチでも特定の層が厚いポッドキャスト番組を選択肢にするなど、カスタマイズします。

阿部:ポッドキャストは番組を自身で選んで聴きにいく媒体であるため、リスナーの行動特性は地上波よりも“推し活”に近いです。ネガティブな感情を持って聴く人が少ない印象ですね。一方、地上波は同時多発的に聴かれ、生放送ならではのムーブメントというものもある。それぞれの強みがありますね。

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株式会社TBSラジオ 編成戦略部 編成デスク 阿部千聡氏
2007年の入社後、ニュース番組のアシスタントディレクターなどを経て、バラエティを中心とした番組制作に約12年従事し、多くの番組でプロデューサーを歴任。近年では制作経験を活かして営業外勤として勤務。2024年5月からは編成部門で幅広い業務に携わる

福井:こうした番組との取り組みに加えて、ブースに常設されているカメラを使った動画・ライブ配信の施策や、番組公式SNSでの訴求、リアルイベント、先述のデジタル音声広告などがあり、ご要望に添って組み合わせています。

 デジタル音声広告でも現在注目のメニューとして、「ホストリードアド」というものがあります。こちらは広告素材の音声についても番組のパーソナリティ(ホスト)が読み上げるもので、番組との親和性が高い分、エンゲージメントが非常に高くなる特長があります。やはり番組リスナーとパーソナリティの間には信頼関係があり、「〇〇さんが楽しく紹介しているのなら楽しく聴ける」という反応につながっていると感じています。

リスナーがスポンサーに感謝 芽生える仲間意識

━━近年で印象深い事例を教えてください。

阿部:木梨憲武さんがメインパーソナリティを務める土曜朝6時放送の地上波番組『木梨の会。』と「サッポロ一番」を展開するサンヨー食品様のタイアップは、ラジオならではのエンゲージメントの高さが見えました。

 この番組では、木梨さんが一般の方がお相手でも楽しいトークを届けられることから、スポンサーからゲストをお呼びしてPRいただくコーナーを設けています。同社は番組開始当初から提供くださっており、度々出演いただいているのが、広報宣伝部長の福井尚基さんです。

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福井さん(写真左)が出演された時の収録の様子(番組公式Xの投稿より)

阿部:放送後、福井さんの写真とともに「#福井さんありがとう」と番組公式Xで投稿すると、このタグがトレンド入り。リスナーがスポンサーに感謝を贈るという現象は、テレビやYouTubeでも見られない現象だと思いました。番組公式Xのフォロワー数も元々多いのですが、他のチャネルへ広げられる強みも改めて感じられましたね。

 また、木曜の24時に放送している「ハライチのターン!」と文房具メーカーのぺんてる様とのタイアップもおもしろい事例です。

 同社の目的は、ボールペン「エナージェル」をぺんてるのブランドとして広く認知してもらうこと。とはいえバラエティ番組ですから、単純な説明では聴いてもらえません。そこでハライチの岩井さんがネタ帳をペンで書く方ということをフックに、“ボールペンあるある”を楽しく話していただきました。また、放送後は番組公式Xでリポストキャンペーン、またハンズの店頭で番組宣伝を兼ねた試し書きのPOP設置も実施。リポストだけでなく、POPを現地で撮影した写真をリスナーが投稿するなど、多くの反響がありました。

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ハライチのターン!とのコラボしたエナージェルも制作

 我々ラジオ局の場合、番組制作の現場と非常に距離が近く、パーソナリティと直接打ち合わせさせてもらうことも多いです。現場のスタッフをよく知っているからこそマッチする企画を生み出しやすいというのはこの事例でも感じました。また、同商品のチームメンバーが元々同番組のファンで「タイアップしたい」と思ってくださっていたことも、リスナーに仲間意識が芽生えること、エンゲージメントにつながっていたと思います。

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音声コンテンツ制作で見落としがちな「基礎」

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/05/28 09:00 https://markezine.jp/article/detail/45694

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