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広がる企業の音声活用!聴覚に訴えるマーケティングを探る

市場規模が4年間で35倍 急拡大する日本のデジタル音声広告をSpotify広告グローバル責任者が語る


 近年、ラジオや音声配信サービス上で音声広告を流すデジタル音声広告の利用が拡大している。デジタルインファクトが2020年に行った調査によると、2019年時点で7億円だった市場規模が、2025年には420億円まで拡大すると予測されている。そんなデジタル音声広告をけん引しているのがオーディオストリーミングサービスのSpotifyだ。本記事では、Spotifyの広告事業でグローバル責任者を務めるLee Brown(リー・ブラウン)氏に同社の現状と広告プラットフォームとしての特徴、デジタル音声広告での今後の戦略をうかがった。

ストリーミングの普及で高まるデジタル音声広告への注目

——まず、これまでのSpotifyでのご経験や、現在担当されている領域やミッションなどについてお聞かせください。

 私は現在、Spotifyでグローバルの広告ビジネスおよびプラットフォームの責任者を務めています。以前は、アメリカのYahoo!で12年間デジタル広告に携わり、その後約10年間はスタートアップ企業でデジタル広告のビジネスの立ち上げを行っていました。そしてその後、「アーティストやクリエイターが作品への対価を得られるようにする」というSpotifyのミッションに惹かれて2019年に入社しました。

Spotify VP, Global Head of Advertising Lee Brown(リー・ブラウン)氏

 私たちのチームもこのミッションを大事にしており、Spotifyが運営するオーディオ広告のマーケットプレイスである「Spotify  Audience Network」を通じてブランドと数億人のリスナーをつなげることで、アーティストやクリエイター、ポッドキャスターが彼らの活動で収益を得られるような仕組みの構築を目指しています

グローバルの音声広告市場で見られる四つのトレンド

——グローバルにおけるデジタル広告市場のトレンドをどのようにお考えですか。

 四つのトレンドが挙げられます。

 一つ目が、伝統的なメディアが急激にデジタル化を目指していることです。これは、消費者のニーズが多様化したことによって、彼らがどのような購買行動をとっているのかを追跡し、ニーズを把握する必要が高まったことが原因です。

 二つ目として、ワイヤレスヘッドホンの普及による音楽ストリーミングサービスの利用者数の急増が挙がります。実際、Spotifyでは現在、180以上の国と地域で6億200万人以上のユーザーが利用するオーディオコミュニティにまで拡大しています。さらに、Spotifyの無料プランのユーザーでも、一日平均で2.4時間利用していることがわかっています。こういった流れから、多くのマーケターが、スクリーンに触れていない消費者にいかに広告をリーチするかを考えるようになっています。

 三つ目は、機械学習および生成AIです。近年のAIブームにより、多くのデジタル広告がAIを活用するようになりました。Spotifyでも10年以上前から機械学習を活用して、パーソナライズされたレコメンデーションや音楽体験の提供を進めています。今後、さらにプラットフォームにAIを取り入れていくことで、様々な機能やクリエイティブの強化などが期待できるでしょう。

 四つ目のトレンドとして、Z世代からの音声広告に対する受容度の高まりが挙がります。Z世代は、自分の興味があるカルチャーを深掘りし、自分自身やクリエイター、その周囲の世界について詳しく知るためにオーディオを活用する傾向が見られます。Spotifyにおいても、Z世代は、2023年の上半期だけで累計5,600億以上の楽曲と30億以上のポッドキャストエピソードを聴きました。この数値は前年比で76%増加しています。Z世代は音楽とポッドキャストの再生において最も急速に成長している属性と言えるでしょう。

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広告収入が4年で2.5倍 広告技術の開発を行うSpotify

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この記事の著者

土屋 典正(編集部)(ツチヤ ノリマサ)

法政大学法学部を卒業。新卒で人材派遣の会社にて営業職を経験し、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。

 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/02/20 16:18 https://markezine.jp/article/detail/44203

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