“旅行”を問い直す、アイデア例
前述の旅行ニーズセグメントをもとに、具体的にはどんなアイデアが考えられるでしょうか。ワークショップでのアウトプットをもとに考察しました。今回は最もボリュームの多い「回復旅」と、旅化のポテンシャルが大きい「趣味旅」のセグメントにフォーカスをあてました。
A.「回復旅」や「趣味旅」の頻度をあげる「第二のふるさと認定」
今回の自主企画調査の結果から、全体的に 「費用」と「時間」が旅行の障壁になっていることが分かりました。「旅行」と捉えると計画を立てること自体に時間がかかり、手間となっている一方で、このセグメントの旅行は特定のエリアのみの訪問で満たされるケースも多くみられます。温泉に入る、絶景を眺める、マリンスポーツを楽しむなど、回復や趣味の実行が主目的であるためです。
一方で自治体側は、多くの方に高頻度で訪問してもらって街を活性化したいと考えています。
双方のニーズを満たす案として、宿泊や交通手段のサブスク化で毎回安く宿泊できるようにするといったアイディアが出ました。別荘を購入されている方が週末や連休等に行き来しているようなことを、もっと手軽で身近に実現するようなイメージです。第二のふるさととして街に愛着がわくことで豊かさが増すかもしれません。

B.「趣味旅」で地域ビジネスを活性化「アーティストやチームと現地コラボ」
前述のとおり、趣味旅は趣味の移動が目的であるため、旅行は副次的なものと捉えられています。本来、時間とお金をかけて遠くまで移動するのであれば、もっと移動先での楽しさを享受できるとよいのではないのでしょうか。とはいえ観光のモチベーションは低く、推し活やスポーツなど趣味のことで頭がいっぱいです。
そこで遠征先のホテルや飲食店、集客スポットと目的のアーティストやチーム等がコラボし、イベント前に現地を楽しむ姿がSNSでアップされたり、特別なグッズが飾られていたり、音楽が流れているなど、イベント前後の期間で街中がイベント化されると、より楽しむことができるでしょう。遠方から足を運ぶ人が増えると同時に、現地の人のファン化が進むことも期待できます。
