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その手があったか!生成AIでコンテンツマーケティングを“劇的にラクにする”プロンプト術

面倒なデータ分析は生成AIにおまかせ 創造的な業務に専念するコツ


「構造化されていないデータ分析」のほうがむしろ真骨頂かも

 仕事で、こんなシーンに出くわすことはないでしょうか?

  • 直感的に良いアイデアだと感じるが、その価値を論理的に説明するのが難しい
  • あるメンバーが特定のプロジェクトに適していると感じるが、その根拠を説明できない
  • カオスな状況を交通整理して、議論の出発点を探したい
  • 限られた情報をもとに、仮説を導き出したい
  • 解釈を基にどんなアクションを行えば良いのか、方向性や具体案が欲しい

 現実世界はデータが整理されていないことがほとんどで、そんな状況でも何かしら仮説を立てて行動せねばならないものです。

 構造化されていないデータ分析へのAI活用例を二つ挙げてみましょう。

 一つ目は、「一見矛盾した事象を理由づけさせる」分析です。「業績向上のために導入した新システムが、逆に業務を遅くしている」という事実があったとして、その理由を推論させてみます。

【プロンプト】

 業績向上のために導入した新システムが、逆に業務を遅くしている現象が起きている。理由をカテゴリーに分けて推論し、アクション例を提示してください。

【出力結果】

画像を説明するテキストなくても可

※この2倍以上出してくれましたが、割愛します

 正しいかどうかはヒトの目で精査するとして、議論の出発点としては悪くありません。一つの箇所を深掘りしたければ、質問を重ねていけばOKです。

言語化しづらいことに効く「理由を推論してください」

 もう一つの例は、「SNS投稿がバズった理由を言語化させる」活用です。少し前に、こんなポストが話題になっていました。

画像を説明するテキストなくても可
Xの投稿より

 私自身は瞬時に共感を覚えたものの、なぜ「行きたい」と言ったのかの理由を言葉にするのが難しかったので、AIに言語化するよう頼んでみました。

【プロンプト】

 こんなポストが拡散していたのですが、引きこもりの子が『海外ならば行きたい』と言った理由を推論してください。

【出力結果】

1. 新しい環境での自由

 国外は彼らにとってまったく新しい環境であり、日常生活のストレスやプレッシャーから離れることができる場所です。自国内では、学校や地域社会からの期待、友人や家族との関係など、多くの社会的な束縛が存在します。しかし、海外ではこれらの社会的な期待から解放され、自分自身をリセットする機会を得ることができます。

2. 匿名性と自己再発見

 海外では、知り合いに会う可能性が低く、匿名性が保たれます。これにより、彼らは日常生活で感じる評価やラベリングから解放され、自分自身を新たな視点で見つめ直すことができます。新しい文化や環境に触れることで、自己再発見の旅を経験し、自信を取り戻すきっかけにもなり得ます。

3. 成功体験と自己効力感

 引きこもりの子どもたちにとって、日常生活で成功体験を得ることは難しいかもしれません。しかし、海外旅行という新しい挑戦を通じて、小さな成功を積み重ねることができます。たとえば、異文化交流を経験したり、言葉の壁を乗り越えたりすることで、自己効力感を高めることができます。

4. 逃避ではなく、一時的な休息

 引きこもりの子どもたちが海外旅行を望むのは、単なる逃避ではなく、現状からの一時的な休息を求めているからかもしれません。彼らにとって、海外旅行は心身ともにリフレッシュする機会であり、新たな視点を得るためのステップとなり得ます。

5. 社会的スキルの向上

 海外での経験は、社会的スキルを自然な形で向上させる機会を提供します。新しい人々との出会いや、異文化の中でのコミュニケーションは、彼らが自国内で直面するかもしれない社会的な不安を克服するのに役立ちます。

※太字の強調は筆者によるもの

 「自分自身のリセット」「ラベリングからの解放」「自己効力感の向上」……そうそう!それが言いたかったんだよ、と思わず膝を打ちました。

 では、投稿が見た人の共感を集めた理由はどのように説明すれば良いのでしょうか。さらに言語化させてみましょう。

次のページ
話題のSNS投稿が「共感を集めた理由」を紐解く

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この記事の著者

中山 順司(ナカヤマ ジュンジ)

SEO・ソーシャル・動画の3領域でのコンテンツ企画と制作が得意な生粋のコンテンツクリエイター。ソフトバンク、楽天トラベル、Six Apart、freee、ファベルカンパニーを経て2024年に独立。コンテンツマーケティングを専業とし、オウンドメディアとYouTubeの設計 / 企画 / 執筆 / 編集 / 分析 / 改善 / SEO を幅広く行う。MarkeZine、Web担当者Forum、ねとらぼ、WorkshipMAGAZINE等で執筆しつつ、Content ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/09 08:59 https://markezine.jp/article/detail/46010

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