インフルエンサーの投稿を自分ごと化してもらうための二つのチェックポイント
では、インフルエンサーが発信するコンテンツを多くの生活者に自分ごと化してもらうにはどうしたら良いのでしょうか。
主に以下の二つの要素が重要です。
1.コンテンツが消費者の興味を引くHookとなっているか
消費者に商品を自分ごと化してもらうためには、コンテンツそのものが消費者の興味を引くHookとなる必要があります。たとえば、次のような要素が挙げられます。
- 課題の提示:消費者の悩みや課題をコンテンツの中で提起し、それに対する解決策として商品を紹介します。
- タレントの起用:消費者にとってなじみ深いタレントを動画に起用することで視聴者からの共感の獲得ができます。
- サプライズ・ミステリー要素:意外性や謎解きの要素を取り入れることで興味を引くことが可能です。
- 極端なシチュエーション・ドラマ風の演出:消費者を物語に引き込むような演出を行うことで、消費者自身に自分ごと化してもらうことができます。
- 視覚的に印象に残る映像:視覚的に魅力的な映像を活用することで、消費者の注意を引くことが可能になります。
2.商品を消費者の生活に関連付けられているか
商品やブランドを消費者に自分ごと化してもらうためのもう一つの手段が、生活文脈を考慮することです。たとえば、「忙しい朝の時間帯には、簡単に準備でき、持ち運びに便利な朝食アイテムが良い」「受験勉強中の学生には、集中力を維持しストレス解消に役立つ飲み物や食べ物が良い」「夜遅く帰宅する人には、簡単に調理でき満足感の高い夜食メニューが良い」などのように、生活文脈に沿った商品の活用例を具体的に示すことで、消費者に商品やブランドを自分の生活の一部、つまり自分ごととして認識してもらえるようになります。
生活者の“利用タイミング”と“効能”をコンテンツの中に組み込む
商品の自分ごと化に成功している事例として、KOSEのスティーブンノルが挙げられます。同ブランドは、髪のクセやうねりがまとまるという機能的価値を持つのが特徴的な製品です。
元々多くの消費者が「髪のクセやうねりを抑制し、まとまった髪にしたい」というニーズを持っていました。そこで同ブランドでは、消費者の悩みのシーンを描きやすいイラスト系のインフルエンサーを起用し、より悩みが顕在化しやすい梅雨の時期や、年齢をHOOKに使用シーンや髪のまとまるシーンを訴求。これにより、同キャンペーンの平均エンゲージメント率を2倍上回り、多数の商品に関連するコメントの獲得につながりました。
同事例のように、“消費者が商品を使うタイミング”と“その効果”をコンテンツの中に組み込んで発信したことで、消費者に商品を自分ごと化させることに成功しました。
このように、消費者の生活文脈を考慮したコンテンツを作成することがインフルエンサーを活用して効果的にブランド認知を向上させる上では重要になります。
