CV数155%&CPA-33%、VBO×ブロード配信の成果
――取り組みの成果について教えてください。
木村:2024年2月から3月まで施策を行ったのですが、VBO×ブロード配信を導入する前と比較してCV数が155%を達成しました。また、CPAは低下しており、配信前より33%抑えることができました。
また、パフォーマンスが安定したことも大きな成果の1つです。VBO×ブロード配信導入前のTikTok広告はパフォーマンスにムラがありましたが、VBO×ブロード配信を導入以降は高いパフォーマンスを維持できています。
光安:CVを評価して広告配信を最適化する手法は、現状実施できるプラットフォームが限られています。ユーザー数の多い動画プラットフォームでありながらこの手法を活用できるのは、TikTokの強みになっています。
高木:4月にはサーチリフトとCVリフトの調査を実施し、VBO×ブロード配信が他プラットフォーム経由の検索数は13.5%増加し、CV数も113%向上しておりました。
不動産業界で、これだけのパフォーマンスを発揮していただけたというのは、TikTok for Businessとしても新しい事例になっています。
クリエイティブ×AIでさらなる成果を
――最後に今後の展望を聞かせてください。
光安:今後、クリエイティブの改善にAIを積極的に取り入れていきたいと考えています。
これまで、私たちマーケターは定量的および定性的なリサーチを通じて、お客様のインサイトを深掘りし、「どのようなクリエイティブが効果的か」を分析しクリエイティブを制作してきました。
これからはマーケターだけでなく、AIでもクリエイティブを分析から制作する体制を整えていきます。
弊社ではクリエイティブに関するモデルをインハウスで構築しています。外部ツールを使わずにインハウスで構築することで、より深いデータをもとに自由度高くモデルの開発が進められています。
現時点では、制作したクリエイティブのパフォーマンス予測が可能であり、その精度は人間が判断するよりも高い状況で、既にクリエイティブのPDCAサイクルにも組み込まれています。
次のステップとして、割り出された各特徴量のパフォーマンスへの重要度をもとに、クリエイティブ自体の生成にAIを活用することに取り組んでいます。
既存の生成AIを使用すればクリエイティブの生成は可能ですが、実際にユーザーが反応するクオリティのものを生成できるかは別問題です。そのため、いかに「ユーザーに刺さるクリエイティブ」を作れるかが重要だと考えています。
マーケターとAIの相互で分析結果などの情報をシェアしながらクリエイティブを制作し、今まで以上に顧客理解やクリエイティブの精度向上ができる形を目指していきます。
木村:動画は静止画以上に改善できる要素が存在するので、TikTok for Businessの協力も得ながら動画の分析に注力したいです。
高木:ぜひ一緒に成果の高いクリエイティブに必要な要素を分析できればと思います。
また、TikTok for Businessとしてはサーバー経由でデータを送信する環境構築の重要性を伝えていきたいです。
サードパーティCookieの廃止が段階的に進んでいくとされており、今後広告のパフォーマンスに大きな影響が出ると言われています。そうなる前に現在の環境の見直し、またサーバー経由でデータが送信できる環境を広告主様と構築していければと考えております。