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『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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【特集】ターゲティング大変革期の到来

データクリーンルームで進化する、データドリブンマーケティング 現在の開発・活用状況を電通に聞く

 ユーザーのプライバシー保護意識の高まりを受け、改正個人情報保護法の施行、ブラウザ・アプリにおけるCookieや広告識別子の利用に関して対応が進んでいる。Googleによる3rd Party Cookieの廃止は延期が繰り返されているものの、一連の潮流が引くことはなく、データマーケティングへの影響は避けられない。そんな中、特にCookieレス時代の新手法として注目されているのが「データクリーンルーム」だ。広告配信時のデータクリーンルームの有用性について、電通の榑林氏、吉田氏、柳尾氏に話を聞いてきた。

※本記事は、2024年7月刊行の『MarkeZine』(雑誌)103号に掲載したものです

活用が進むCookieレス時代の代替手法「データクリーンルーム」とは

──近年、Cookieレス時代の代替手法として「データクリーンルーム」に注目が集まっています。まずは、データクリーンルームとはどういったソリューションなのか、ご説明いただけますか。

榑林:データクリーンルームは、プラットフォーム事業者が広告主や広告代理店に向けて提供しているクラウド上の分析環境です。データクリーンルームでは、ユーザーのプライバシーに配慮した形で、プラットフォーム事業者が保有しているデータ、広告主が保有しているデータ、我々代理店が保有しているデータを連携し、顧客分析や広告配信、効果測定を行うことができます。

 今後、データマーケティングでは、安全にデータを取り扱いかつ結果を出していくことが当然のこととして求められてきます。我々がクライアント企業様のデータマーケティングをご支援する際、丁寧で細やかな分析を安全に行うためには、データクリーンルームの活用が必須となってくるでしょう。

株式会社電通 データ・テクノロジーセンター プラットフォーマーデータ3部 シニア・アナリスト 榑林 花野(くればやし・はなの)氏入社以来、国内外の幅広い業種のクライアント様にてデジタルソリュー ションを活用した効果検証を担当。 直近ではプラットフォームデータを活用したソリューション開発を担当。
株式会社電通 データ・テクノロジーセンター プラットフォーマーデータ3部 シニア・アナリスト 榑林 花野氏
入社以来、国内外の幅広い業種のクライアント様にてデジタルソリュー ションを活用した効果検証を担当。 直近ではプラットフォームデータを活用したソリューション開発を担当。

 一方で、すべての広告主にとって、すべての場面でデータクリーンルームの活用が必須かというとそういうわけでもありません。たとえば、テレビとYouTubeの広告効果を掛け合わせて検証したい、デジタル広告がリアル店舗での購買にどのくらい効果をもたらしたかを検証したいなどの目的・課題があるとき、それを実現させるためにデータクリーンルームを手段として用います。

 各社の目的・課題に沿って自由度高く活用できる点はデータクリーンルームのメリットですが、前述のとおり、広告主企業においては「活用が必須」という見方ではなく、目的・課題に応じて、活用するものとして認識いただくとよいかと思います。

──電通は、2016年頃から世界でもいち早くデータクリーンルームに着目し、プラットフォーム事業者との連携・開発を進めてきました。現在、どこまで整備・拡充・活用が進んでいますか?

榑林:業界の中でもかなり先行的に取り組んできましたので、大手のプラットフォーム事業者様とはおおよそ連携できています。また、そうした実績があることから新たにデータクリーンルームの取り組みを始めたいというプラットフォーム事業者様からお声がけいただく機会も増えています。

 現在は、電通の2nd Party Dataに加え、データアライアンスを組んでいるポイントカード/決済アプリのデータや、小売の実購買データなどの連携を強化しているところです。昨年は1,000件ほどの案件でデータクリーンルームが活用されました。

 さらに、電通ではデータクリーンルーム基盤「TOBIRAS(トビラス)」を構築し、2022年8月から提供を開始しています。データクリーンルームは、プラットフォームごとにデータ連携の方法や分析作法が異なるため、運用を一元化したり、データクリーンルーム同士のデータを比較検討したりできないという課題がありました。そこで開発したのが、複数のデータクリーンルームを利用しやすくするソリューション「TOBIRAS」です。TOBIRASは複数のデータクリーンルーム活用をデータ連携・分析作業など様々な面から支援します。

電通によるデータクリーンルーム関連のサービス概要(2022年8月発表時)
電通によるデータクリーンルーム関連のサービス概要(2022年8月発表時)
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/29 09:30 https://markezine.jp/article/detail/46054

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