「インプレッション取引」にするとスポットCMの総収入はどのくらい増える?
前回、女性20歳以上(F20+)のインプレッションだけで取引してもテレビ局のスポット収入は約30%増収するという試算をご紹介しました。
しかし、F20+をターゲットにする商品ってたとえば何? とか、この試算はF3(女性50〜64歳)、F4(女性65歳以上)の人口構成比が多いところでカロリーを稼いでいるだけの試算なのでは? と思われるかも知れませんので、もうひとパターン試算してみます。

図表2を簡単にご説明していきます。前述の通り、この局の1週間のスポットは合計で5,156本/10,867GRPでした。各デモグラセグメントにウェイトバックをかけた総インプレッション数は合計46億3,000万回、総収入試算は16億3,000万円ですので平均CPMは335円となっています。(図表左上)。
これをデモグラ12区分に分割してみると、それぞれのインプレッション数と収入概算がわかります。平均CPMは全て335円となります(図表左下)。当然、その際の合計値はいずれも個人全体の場合と同じです。
総収入試算②では高齢層を除き、MF1(男女20〜34歳)、MF2(男女35〜49歳)のインプレッション数だけで試算してみています。MF20-49なので「コア視聴率」の年齢幅よりは少し狭めになっています。
もちろん、ターゲティング条件は厳しくなっていますので、総収入試算①よりもターゲットCPM(TCPM)を高めに設定します。それでも、MF1を2,000円、MF2を1,500円としています(図表右の左)。
インプレッション数の小計はF1-2が7億6,000万回(全体の15.7%)、M1-2で5億9,000万回(同12.2%)、合計で13億5,000万回(同27.9%)となります(図表右の右)。
それぞれの収入試算であるF1:5億8,600万円、F2:7億200万円、M1:4億4,100万円、M2:5億5,700万円を合計した総収入試算②は22億8,600万円となりました。どうやら、高齢層を除いたMF1とMF2だけの総収入試算②は、前回の①よりも高い40%の増収となりました。全体での平均CPMが470円(+135円)となった計算です(図表3)。
