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なぜGoogleのシェアが落ちているのか?

Googleの検索クオリティは悪化しているのか?

 まず、1つめの「Googleの検索クオリティの悪化」からみていこう。2月に公開した記事「いまGoogleを使ってない人は、何を使っているのか?」でも触れたが、ドイツの研究者による一年に及ぶ最新の調査結果について、1月16日付の記事「Google Search Really Has Gotten Worse, Researchers Find(Google検索は本当に悪化している)」が紹介している。また、その他にも、『「Google検索は死んでいる」という指摘』という記事なども数年前から、出回っている。このように、Googleの検索クオリティの悪化を多くの専門家がここ数年、すでに指摘していた。

 なぜ、Google検索の品質は悪化しているのだろうか。それは、2020年のGoogle検索のトップ交代が、大きな理由だとみられている。簡単にいえば、「検索クオリティよりも売上を重視する」ようになってしまった、らしい。これは非常に残念なことだ。私には、「Googleは自滅して墓穴を掘っている」ように見える。

「この時すでに、Googleの共同創設者であるラリー・ペイジ氏もセルゲイ・ブリン氏もGoogleを去っており、この時点でGoogle経営陣の考え方が「ユーザー至上主義」から「成長史上主義」に転換した <中略> ラガヴァン氏の検索部門責任者就任が、Googleの理念が「ユーザーファースト」から「広告主ファースト」に転換したことを象徴する出来事だった」

引用:「Google検索の品質悪化はリーダーが変わったことの影響だという指摘

 昨年までは、ITエンジニアや専門家の間で、Google離れが起こっていた。だが、それが今年、一般の人々にも波及してきたようだ。つまり、最近では、一般のネットユーザーもクオリティ悪化に気づいて、Google離れをし始めている。なぜなら、一般紙や経済紙なども取り上げるようになったからだ。

 たとえば、ウォールストリートジャーナルが「Can You Replace Google Search With Reddit? I Tried It for a WeekーGoogling isn’t what it used to be」という記事を6月18日付で掲載した。この記事のタイトルを意訳すると、「グーグル検索からRedditに乗り換えますか?1週間試してみた - グーグルの検索体験は、もやは、以前と同じではない」という感じだろうか。記事から少し引用しよう。

「Frustrated by their Google searches, people are funneling their queries to a site that isn’t a search engine at all: Reddit.  <中略> Some people turn to AI chatbots like ChatGPT for answers, but others are now adding “Reddit” to the end of any Google search string to surface comments by real people.」

<意訳>グーグル検索にフラストレーションがたまった人たちが、その検索キーワードを検索エンジンではないサイト:Redditに飛ばし始めている。 <中略> ChatGPTのようなAIチャットボットに頼っている人もいるし、グーグル検索の最後にRedditを追加してそのコメントもみながら使っている人々もいる。

 Googleのクオリティの悪化に気づいている人は、当然、日本にもたくさんいるのだろう。フラストレーションがたまった人たちがMicrosoft Bingに乗り換え始めた。その影響が統計数字にも表れてきた、と考えてよさそうだ。

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各検索エンジンはユーザーの期待に応える努力をしているか?

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46126

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