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マーケティングの近未来

なぜGoogleのシェアが落ちているのか?

コモディティ化が進む検索エンジン

 また、Microsoftは5月20日に、「Copilot+PCs」を発表した。この紹介動画「Introducing Copilot+PCs」をみていると、自分も試してみたいと思ってしまう。同じように感じている人は多いのではないか。そのような人は、まずは、ブラウザEdgeのCopilotで試してみたり、スマホアプリ「Bing」「Copilot」で試してみたりしている、ということだろう。

 
Introducing Copilot+PCs

 じつは、自分もそうなのだが、1998年のGoogle創業当時からGoogleを使ってきた。正直、Googleの検索エンジンのシェアが落ちることがあるなんて、想像もしていなかった。「まさか!」というのが最初の感想だった。だが、ここにきて、明らかに、Googleの検索エンジンのクオリティの悪化が目に付く。そして、Microsoft Bingでも大差ないじゃないか、と思い始めている。素直に本音をいえば、「ポイントももらえるし、CopilotでGPT-4も無料で使えるし、Microsoft Bing、意外と悪くないじゃん」と。

 検索エンジンもコモディティ化していて、ある一定以上の基準を満たせば、なんでもいい。「だったら、そこそこ使えれば、別にいいじゃん! 質が悪化して自滅していくGoogleに、いつまでも、こだわるのは、カッコ悪いかも」っていうのが、本音だ。そして、暇つぶし感覚で、スマホアプリ「Bing」「Copilot」で遊んでいるだけで、ポイントが貯まってしまう。

 Googleを使えば使うほど、我々ユーザーはGoogleの広告売上の材料にされている。ユーザーのUX改善のために、我々の検索履歴データ・閲覧履歴データを使って欲しいのに、「広告主ファースト」を掲げてGoogleの広告売上(お金)のアップを優先している(ように見える)。繰り返しいうが、Googleは自滅して墓穴を掘っている。

 一方で、Microsoft Bingを使えば使うほど、我々ユーザーはより多くのポイントを享受できる可能性が高まる。我々の検索履歴データ・閲覧履歴データを使ってUXが改善され、Microsoft BingやCopilotのユーザー数が増えれば増えるほど、Microsoftはその利益の一部(お金)をMS Rewards(ポイント)に引き当てることができる。経営的視点で考えれば、多くのユーザーが使えば使うほど、あるいは、利益率がアップすればするほど、ポイント還元率も比例してアップしやすくなるはずだ。

 私は25年以上、Googleを使ってきた。Google経営陣の方針転換を知ったときは、本当に残念でショックだった。でも、もう仕方がない。私にとっては、苦渋の決断だった。文字通り、思いを切って、乗り換えてしまった。Microsoft Bingに。そして、正直、慣れてしまうと何の不自由もない。

 「ポイントの貯まらない検索エンジンなんて、本物の検索エンジンとはいえない」という感覚を持つユーザーが、今後も増えていくのかもしれない。

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この記事の著者

ヴァイオレット・エヴァーインディゴ(ヴァイオレット・エヴァーインディゴ)

1990年代に米国西海岸に留学し、シリコンバレーで就職。1998年のGoogle誕生に衝撃を受け、ネット広告・デジタルマーケティング領域に職域を転換。2000年代初めに帰国。米国大手IT企業・プラットフォーマーを6社経験。デジタルマーケティングのコンサルティングを生業とする。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/07/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46126

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