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商品のヒットに重要なのは「コミュニティ外への伝搬」 Yahoo!検索のビッグデータを基に分析

 LINEヤフーでは、Yahoo!検索の検索ビッグデータを活用し2022年から「商品トレンドマップ」を独自に開発し、翌年のヒット商品予測を行っている。本記事では、同社が発行する「LINEヤフービッグデータレポート」の編集長でもあるシニアアナリストの池宮伸次氏に、企業がヒットを生み出し、そのヒットを持続化するためのポイントをこれまでの傾向を踏まえて語ってもらった。

商品トレンドマップで“未来のヒット商品”を予測

━━まずは本レポートの概要や、注力されているコンテンツについてお話しください。

LINEヤフー株式会社 シニアデータアナリスト LINEヤフービッグデータレポート編集長 池宮 伸次氏
出版社で雑誌編集者を経験し、2007年に当時のヤフー(現LINEヤフー)に入社。入社後は、Yahoo!検索サービス改善に携わり、その後データアナリストとして分析業務を担当。現在は、LINEヤフーの様々なビッグデータを分析しレポートとしてまとめる「LINEヤフービッグデータレポート」の編集長などとして日々分析を行っている

 LINEヤフーのデータソリューション事業では、幅広いカテゴリーにわたるLINEヤフーが持つ検索や位置情報などのビッグデータを活かし、人々の興味関心を探ることができるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」を展開しています。2022年の12月から、検索ビッグデータとAIを活用して「商品トレンドマップ」を独自に開発し、未来のヒット予測を行ってきました。この取り組みがきっかけとなり、「DS.INSIGHT」内に「DS.INSIGHT Trend」という新機能を2023年8月にリリースしました。

 このDS.INSIGHT Trendでは、当社が保有する検索データを活用することで「今話題のトピック」や、「これから流行りそうなもの」などのヒット商品を予測することができます。

 具体的な流れとしては、年間約90億種類の検索キーワード群から特定の商品と推定されるキーワードを抽出し、さらに詳細なジャンルを推定したのち、Yahoo!検索の検索ボリュームと、当社が独自に算出したトレンドスコアを掛け合わせることで、トレンドマップを作成します。

 トレンドマップでは、エリア内を「ポテンシャルエリア」「ネクストブレイクエリア」「ブレイクエリア」「ブームエリア」の4象限に分類。この4象限のうち、ブレイクエリアとブームエリアに入った商品を我々はヒット商品として捉えています。

2024年に10個の商品・サービスが流行すると予測!その結果は?

━━貴社では2023年8月にトレンドマップを活用して、2024年のヒット予測を行っていました。分野を問わず、計10個のキーワードが選定されていましたが、この予測の中で実際にヒットにつながった商品を教えてください。

 当社のヒット予測では、トレンドマップのネクストブレイクエリアにある商品から次のヒット商品を予測しています。2023年8月に出した予測では、施設・お店、キャンプ場、旅行のトレンドなど、ジャンルを問わず様々なキーワードをピックアップし、幅広い分野でトレンドを検証しました。

2023年8月に実施したヒット予測商品一覧

 この予測の中で、その後実際に大きく検索が伸びた商品としては、軽量エコバッグブランドの「Ball&chain(ボールアンドチェーン)」や、コマ同士でバトルできるおもちゃの「ベイブレードX」がありました。「Ball&chain」は2024年8月に人気ブランドのフェイラーとコラボしたことで検索ボリュームが増加しました。また「ベイブレードX」も子供へのクリスマスプレゼントとして検討していると思われる23年12月から、検索ボリュームが増加しています。

【クリックすると拡大します】

━━マーケティングに関わる方からすると、ヒット商品に何らかの共通項があるなら、とても気になるものだと思います。検索データを見た際に、ヒットする商品に共通して見られるパターンはあるんでしょうか?

 はい、検索ボリュームの推移パターンの違いからヒット商品は大まかに次の三つに分類することができます。

次のページ
ヒット商品に見られる「3パターンの検索数推移」

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この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/09/12 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46172

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