商品トレンドマップで“未来のヒット商品”を予測
━━まずは本レポートの概要や、注力されているコンテンツについてお話しください。
LINEヤフーのデータソリューション事業では、幅広いカテゴリーにわたるLINEヤフーが持つ検索や位置情報などのビッグデータを活かし、人々の興味関心を探ることができるデスクリサーチツール「DS.INSIGHT」を展開しています。2022年の12月から、検索ビッグデータとAIを活用して「商品トレンドマップ」を独自に開発し、未来のヒット予測を行ってきました。この取り組みがきっかけとなり、「DS.INSIGHT」内に「DS.INSIGHT Trend」という新機能を2023年8月にリリースしました。
このDS.INSIGHT Trendでは、当社が保有する検索データを活用することで「今話題のトピック」や、「これから流行りそうなもの」などのヒット商品を予測することができます。
具体的な流れとしては、年間約90億種類の検索キーワード群から特定の商品と推定されるキーワードを抽出し、さらに詳細なジャンルを推定したのち、Yahoo!検索の検索ボリュームと、当社が独自に算出したトレンドスコアを掛け合わせることで、トレンドマップを作成します。
トレンドマップでは、エリア内を「ポテンシャルエリア」「ネクストブレイクエリア」「ブレイクエリア」「ブームエリア」の4象限に分類。この4象限のうち、ブレイクエリアとブームエリアに入った商品を我々はヒット商品として捉えています。
2024年に10個の商品・サービスが流行すると予測!その結果は?
━━貴社では2023年8月にトレンドマップを活用して、2024年のヒット予測を行っていました。分野を問わず、計10個のキーワードが選定されていましたが、この予測の中で実際にヒットにつながった商品を教えてください。
当社のヒット予測では、トレンドマップのネクストブレイクエリアにある商品から次のヒット商品を予測しています。2023年8月に出した予測では、施設・お店、キャンプ場、旅行のトレンドなど、ジャンルを問わず様々なキーワードをピックアップし、幅広い分野でトレンドを検証しました。
この予測の中で、その後実際に大きく検索が伸びた商品としては、軽量エコバッグブランドの「Ball&chain(ボールアンドチェーン)」や、コマ同士でバトルできるおもちゃの「ベイブレードX」がありました。「Ball&chain」は2024年8月に人気ブランドのフェイラーとコラボしたことで検索ボリュームが増加しました。また「ベイブレードX」も子供へのクリスマスプレゼントとして検討していると思われる23年12月から、検索ボリュームが増加しています。
━━マーケティングに関わる方からすると、ヒット商品に何らかの共通項があるなら、とても気になるものだと思います。検索データを見た際に、ヒットする商品に共通して見られるパターンはあるんでしょうか?
はい、検索ボリュームの推移パターンの違いからヒット商品は大まかに次の三つに分類することができます。