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ためになるAIのお話。

AIは想定外の「別解」も生み出せるのか?Stability AI Japanトップが語る展望

「生成AIゆえの模倣や再生産」を避けることは可能か

藤平:もう1つ、今の話題に関連した質問です。画像生成AIを使うことの懸念は「過去の何かしらの作品に知らないうちに似てしまうのではないか」ということだと思います。また、過去にメジャーだったけど古くなった価値観を起点に再生産されることで「必要のないステレオタイプを強化してしまうのではないか」という怖さもあります。

 たとえば、「日本人女性(Japanese Girl)を描いて」と言うと、和服を着た女性の絵が生成されるというように、欧米のステレオタイプ的なイメージに寄ってしまうという状況がありますよね。「ダイバーシティ」がここまで言われている中で、ステレオタイプ的な表現につながる要素が出てきてしまうのは避けたくて……。これに関しても、AIモデルとプロンプトの合わせ技で、新しくかつフラットな方向にアウトプットを持っていくことができますか?

ジェリー:可能です。先ほどお話ししたアプローチと同様に、プロンプトを工夫することでよりフラットな生成に近づけることもできますし、そもそもAIモデルをチューニングすることで改善することもできます。

 単純な使い方をすると、たしかに“ありきたり”に近づいてしまう可能性がありますが、ネガティブプロンプト(ex.○○の概念から遠ざけて下さい)を使うなど、色んなコツがあるんです。

 総じて、AIを使う時も、頭を使って工夫する必要がありますね。

藤平:やはり、そうですよね。連載をここまで重ねてきましたが、AIがどれだけ進化しても、「人間はサボれない」という結論が見えてきました。世の中を前に進める力があるような、新しいモノをAIと一緒につくりたいなら、ある意味丸投げ的にAIに頼るのではなく、僕らも使いこなせるように/リードできるように工夫し続けないといけないんだな、と。

ジェリー:これはAIに限らずですが、どんなツールでも独自の特別な使い方をすれば、他の人にはつくり出せない特別なものがつくれると思います。AIに何を求めるか、そしてどう使うかによって、AIによる創作物は大きく異なってきます。

 ただ、AI技術を提供する側としては、みなさんが頑張れば頑張るだけ面白いものをつくることができる。そんな世界を創りたいですし、クリエイターのみなさんを応援しています。

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「結局使えない」のフラストレーションを解消し、今度こそAIの社会実装へ

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2024/09/06 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46237

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