アサヒビール、Hondaなどマーケティング領域での活用例
藤平:Stable DiffusionないしStability AIの提供するサービスは、いま日本のマーケットで、ビジネスではどのように使われていますか? 現時点でホットな領域・ジャンルを知りたいです。
ジェリー:デザイン・建築などの界隈でも活用いただいていますが、ビジネスでの活用だと、やはりマーケティング・広告・ECなどの領域での活用例が多いですね。最近は、3Dの生成モデルもかなり速いスピードで進化しており、メタバース関連の活用も増えてきています。
藤平:マーケティング・広告での活用は、たとえばどういったユースケースがありますか?
ジェリー:ユースケースは、キャンペーン時のクリエイティブ制作など単発的な活用と、継続的な活用の2つに分けられます。単発的な活用で言うと、直近ではアサヒビールさん、Hondaさんのユースケースがありました。
アサヒビールさんは、2023年10月に発売された『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』の体験型プロモーションにStable Diffusionを活用。具体的には、任意のテキストと自分の画像(写真)をアップロードするとオリジナル画像が作成されるサービスを、Stable Diffusionを用いて開発し、ブランドサイト内で展開されていました。
藤平:「様々なトーン&マナーの画像を生成する」というユースケースは、マーケティング以外でもよく見かける画像生成AIの使い方ですよね。
ジェリー:また、Hondaさんは、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」でStable Diffusionとコラボしたブースを出展されました。ブースで展示されたのは「Honda DREAM LOOP AI」という企画です。これは、「雲の上でキャンプをしたい」「街中に木を植えるロボット」「月面でカーレース」といった“夢”をテキストで入力すると、生成AIがモビリティの設計図を生成してくれるというもので、1週間で13,000個もの設計図が生成されたそうです。
キャンペーンとして新規性がありますし、Hondaの「The Power of Dreams」のスローガンを体現するような企画で、素晴らしいユースケースになったと思います。
藤平:博報堂がご一緒させていただいている案件ですが、ブランドらしい素敵な取り組みだなと感じました。AIが画像を生成することの可能性は「まだ見たことがないものと出会える」こと、テキスト以上にその力を秘めていることにあると個人的には考えています。生活者のそうしたワクワクをしっかりと捉えた企画だなと感じました。
