地図データや人流データを活用して課題解決に取り組むジオテクノロジーズは、2024年4月1日付で前任の杉原博茂氏に代わり、代表取締役社長CEOに八剱洋一郎氏が就任したことを発表した。それにともない7月5日、就任のあいさつと共に今後の経営方針・戦略、新たなサービスを明らかにした。
代表取締役社長CEOに就任した八剱氏は、長年にわたり国内外の通信業界に携わり、サイバーセキュリティーや国際ビジネス戦略に精通している。
八剱氏は同社が保有する、タイムリーな「地理空間データ」と、人流データやアスキングデータなどの「動態データ」を活用し強化していく4つの事業を提示した。
一つ目は、オートモーティブソリューション。自動運転の安全性を高めるために必要な、精度の高い地図情報を提供する。
二つ目は、位置情報(GIS)プラットフォームを活用したソリューションの提供。顧客別・用途別にカスタマイズしたデータとソリューションを開発する。
三つ目は、コンシューマーサービスの展開。同社が展開し、総ダウンロード数1,900万(※2024年7月時点)、月間アクティブユーザー数400万人を有するポイ活アプリ「トリマ」を中心としたリサーチパネルを中心に、多様なデータ収集を行う。
四つ目は、マーケティングソリューションの提供だ。ポイ活アプリの「トリマ」などの顧客接点から得られる人流データを生かして、調査や広告などの販促マーケティングソリューションを提供する予定だ。
マーケティングソリューションの展開例としては、OOHの効果測定を挙げた。たとえば、山手線に乗車していると見える場所に設置されたOOHに近づいた時に、ポイ活アプリ利用者に向けてアンケートを配信。その場で、OOHを認知しているかどうかを確認する、という独自の調査方法を基に、効果測定を行うソリューションを提供する。
また同社が誇る、高精度・高密度な人流データを基に調査を行い、観光マーケティングの最適化を行うことを想定している。
ジオテクノロジーズの人流データでは、5秒間隔ごとに移動距離を測れるため、移動手段も判別できる。そのため新幹線と車、それぞれの手段で観光地に向かった人が取る行動パターンの違いを確認することも可能だ。
実際に、北陸新幹線延伸後の終点である敦賀駅で人流を調査したところ、鉄道での来訪者は敦賀駅前や赤レンガ倉庫の多くに滞留し、鉄道以外の来訪者は、気比の松原や日本海さかな街に多く滞留していることがわかった。
今後同社は広告代理店と組み、実際にマーケティングソリューションを提供することを目指していく。
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