SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

広報活動・PRの効果を数字で語る!データ分析入門

「感覚広報」を脱却!これからの広報活動にデータドリブンな発想が求められる理由【第1回】

変化2:広報にメディアの運営・コンテンツ制作・売上貢献を求めるように

 日本パブリックリレーションズ協会が、PR業各社の業務傾向などからPR業界の最新の潮流を探るとともに、PR業全体の売上規模を推計する目的で実施している「PR業実態調査」があります。2023年に実施された調査によると、「広報・PR業務の取り扱い上位項目」として、オウンドメディアやソーシャルメディアの企画・運営が63%、動画の制作・プロモーションは60%でした。

広報・PR業務の取り扱い上位項目(複数回答)
広報・PR業務の取り扱い上位項目(複数回答)

 メディアでの掲載実績以外にも、自社のオウンドメディアでの情報発信や動画を通じたプロモーションなど、オウンド・ペイド・シェアードメディアも含めたコミュニケーションが求められているとわかります。

 また企業経営における「重点課題」では、「売上拡大」が67%と最も重視されており、広報に対しても売上貢献が求められている時代だと言えます。

経営の重点課題(複数回答)
経営の重点課題(複数回答)

変化3:広報業界で追える定量的な指標とデータが増えた

 3つ目の大きな変化は、広報業界におけるデータ活用の進化です。広報・PRの領域では、長年何を成果とするかが曖昧で、広告換算値(メディア掲載の獲得件数や、雑誌・Webメディアなどで取り上げられた露出効果を、実際の広告枠を買い取って掲載したときの費用に換算した指標)しか定量的な指標となるものがありませんでした。

 時代の変化とともに新たなPR効果測定指標が期待されるようになり、ここ数年で広報の成果を収集して分析できるデジタルツールが開発・普及してきています。これにより、メディア掲載の量を網羅的に把握するだけでなく、SNSへの波及数や記事の論調といった質的な指標も加味した効果測定ができるようになりました。

 また広報に関わるデータとして、企業のWebサイトのアクセス数や売上など、事業貢献に関わる指標との関連性も可視化できるようになりました。詳細は次回解説しますが、広報はメンタルアベイラビリティ(ブランド想起のされやすさ)を上げることで事業に貢献している、と考えるとわかりやすいと思います。

 実際に様々な指標で取得した広報効果のデータと、他で計測した売上データなどを合わせて見ることで、どのように・どの程度事業に貢献しているのかを推測できるようになり、KPIが立てやすくなりました。

次のページ
日本広報学会によって再定義された広報の役割

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
広報活動・PRの効果を数字で語る!データ分析入門連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

倉地 大輔(クラチ ダイスケ)

ビルコム株式会社 プロデュース局 シニアコンサルタント。国内外大手クライアントのコミュニケーション戦略設計、メッセージ開発などPR支援に従事し、セミナーにも多数登壇。広報効果測定ツール「PR Analyzer®」のデータ分析に長け、社内資格「PRアナリスト」有資格者。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/09/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46583

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング