検索結果から見えるモバイル検索ユーザーの不満
図3は、黄色地のサイトは渋滞情報が十分に扱われた、モバイル検索ユーザーのニーズを満たしている(ユーザーが望んだ情報が得られる)と考えられるサイトである。この表を見て分かるとおり、検索ユーザーの求めているサイトが必ずしも上位表示されているとは言えない。
では、図3とは異なり、いわゆるビッグワードで検索した場合はどういった検索結果になっているだろうか。そのために、まず、図4にて今年3月時点での旅行系キーワードの予想検索数データを並べてみた。【注】なお、この「予想検索数データ」はフラクタリスト社のリスティング広告運用実績を元に算出している。さて、やはりというべきか、「旅行」というキーワードの検索数が最も多いようだ。
そこで、「旅行」というキーワードで各キャリア検索を行った結果が下記の図5である。

黄色地で表示したのが旅行情報サイトだが、キャリアごとに次のような結果となった。
- imenu:モバイル検索ユーザーのニーズを満たすしていると考えられるサイトが上位表示されている
- EZGoogle:モバイル検索ユーザーのニーズを満たしていると考えられるサイトがいくつか上位表示されている
- Yahoo!ケータイ:上位表示サイトに旅行情報サイトが表示されておらず、モバイル検索ユーザーのニーズを満たしたサイトは上位表示されていない
このように、リアルタイムで検索されるキーワード(「渋滞情報」など)だけでなく、ビッグワード(「旅行」)に関しても、モバイル検索ユーザーの求めるサイトがキャリアによっては上位表示されていない状況である。
さて、ここまでキーワードによる検索数の伸びの傾向と、ユーザーのニーズと検索結果のミスマッチについて見てきたが、これらを踏まえて、モバイルサイト運営企業としてはキャリア毎にどのような対策が考えられるだろうか。簡単に各キャリアの公式検索エンジンについてまとめつつ、考えてみよう。
【注1】2008年7月31日の記事公開時は、「図4 Ovetureにおける旅行系ワード検索数Overture検索数(iモード・2008年3月)」という表記をしておりましたが、Overture社は現在外部に対して検索数を公表しておりませんので、フラクタリスト社のリスティング広告運用実績を元に「予想検索数」として、加筆/修正しております。なお、フラクタリスト社のデータを用いましても、検索予想数に変わりはありませんので、2008年7月31日の公開時と本文の結論に変更はございません。ここにお詫び申し上げます。

